第49回衆院選は10月31日投開票が行われた。東広島市が選挙区に含まれる広島4区には、前職1人、元職2人、新人1人の4人が立候補。強力な組織力を背景に戦った自民党前職の新谷正義氏(46)が抜け出し、比例中国ブロックでの2選を含め4選を果たした。(取材班)
小選挙区で2回目の戦いとなった新谷氏は、選挙区内の自民・公明党市議(町議)や県議の後押しの他、多くの業界団体の推薦を得て、選挙戦を展開。衆院議員3期の実績を強調しながら、「一人一人に寄り添った政治を行う」と訴え、与党支持層を手堅くまとめた。
4選を決め、東広島市内の選挙事務所に姿を現した新谷氏は「日本はウィズコロナの中で、しっかりと再起を図り、経済の成長を支えていかなければならない」と述べた。
旧民主党時代の20 09年に当選経験のある元職で、日本維新の会の空本誠喜氏(57)は、定番となった自転車で選挙区を回るスタイルの選挙戦を展開。小選挙区では敗れたが、比例中国ブロックで復活当選を果たした。空本氏は「中山間地域の問題など課題を一歩ずつ解決していきたい」と決意を語った。
立憲民主党新人の上野寛治氏(39)は、連合広島や、諸派の政治団体「結集ひろしま」の推薦を得て、「若さとしがらみのなさ」を前面にアピール。若年層・無党派層の集票や、自公政権への批判票などを狙ったが一歩及ばなかった。上野氏は「今の政治に疑問を持っている一定数の支援もいただいた。この声を大切に前に向かっていきたい」と話していた。
前回衆院選前に女性問題で自民党を離党し、今回、「もう一度チャンスを」と不退転の決意で臨んだ無所属で元職の中川俊直氏(51)は、面的な支持の広がりを欠き、厳しい現実を突き付けられた。中川氏は「無所属の厳しさを味わったが、悔いはない。今後、政治の世界に身を置くかは、今は白紙の状態」と話していた。
4区の投票率は53・18%。前回(17年)を3・52ポイント上回った。
ザ・ウイークリー・プレスネット
2021年11月4日号掲載