
今年が創業25年の早田薬局(本店・東広島市安芸津町)。菅原賢社長は、同薬局の事業承継を見据え、2017年に入社、23年に事業を引き継いだ。「薬局は患者さんに薬を届ける最後の砦」と力を込める。菅原社長に地域薬局への思いなどについて聞いた。(日川・山北)
患者の安心、安全をサポート
― 心掛けていることは。
患者さんは、複数の医療機関を受診することが多く、薬の重複や飲み合わせの問題が起きやすい。服用薬の確認はマイナンバーカードでできるようになったが、まだリアルタイムではないので疑わしい点があれば一度立ち止まり、必ず確認するように心掛けている。薬剤師は、単に薬を調剤するだけではなく、患者さんが安心して安全に治療を続けられるようにサポート、チーム医療の一員としての役割を果たすことが使命。患者さんとの対話を大切にし、安心して相談できる身近な存在として、地域に根ざした薬局を目指している。
― 地域薬局の強みは。
患者さん一人一人の顔が見え、しっかり話ができること。顔が見えるからこそ、薬の効き方や飲み方の説明にとどまらず、体調の変化や日常生活での困りごとにも丁寧に耳を傾けられる。
― 一方で課題は。
現在、人口が減少している地域に3店舗を構えているため、安定経営を見据えて、人口増加の見込まれる地域への出店や小児やスマホに慣れた若い世代の取り込みに力を入れている。ただ、調剤報酬は、厚生労働省が決める公定価格。自由に価格を決めることができないため、2年ごとにある診療報酬の改定の影響が大きく、先を読むことが難しいことだ。
― 患者さんから寄せられる相談は。
「最近よく眠れない」「夜中にトイレで転んだ」など身近な相談が多い。患者さんの健康上や医療上のリスクが潜んでいることを見逃さないようにしている。睡眠薬ひとつとっても、転倒の危険を回避するために筋力が落ちにくいなど安全性の高い薬を医師に提案するなど、患者さんとの日常会話から、必要に応じて医療機関につなぐようにしている。
― 在宅訪問にも力を入れています。
医師の処方箋をもとに、通院や薬の自己管理が難しい患者さんなどの自宅を訪問し、処方薬の配達や服薬カレンダーへのセット、服薬状況の確認を行う。会話の中で把握した不安や体調の変化は医師に報告し、ケアマネジャーや訪問看護師などと連携して在宅療養を支えている。是非、気軽に相談して欲しい。

LINEで処方箋事前受付、待ち時間短縮
― IT(情報技術)化への取り組みは。
患者さんの待ち時間の短縮などを目的に導入したのが、LINEを使った処方箋の事前受付サービスだ。専門事業者が常時管理する安全性の高い専用サーバーで情報漏えいの心配がない。登録者には、受付完了や調剤完了の通知が届いたのを確認して来局できる点が好評で、特に忙しい子育て世代や家族の介護や付き添いが必要な働き手世代から高い評価を得ている。過疎地域では、こうしたサービスを早期に対応することで、利用者の定着につながりやすい。
― スタッフ間で大切にしていることは。
「最も大切なのは、感染をしないこと」。スタッフが、インフルエンザなどの感染症に感染すれば患者さんに迷惑をかけてしまうので、感染対策を徹底している。手指消毒や作業手順についても細かく指導。患者さんに感染させないように日常業務の中で細心の注意を払っている。
【菅原賢さんプロフィル】
1983年、東広島市黒瀬町生まれ。福山大学卒。県立広島病院で約12年間、薬剤師として勤務した後、2017年に早田薬局に入社。将来の事業承継を見据えて現場経験を積み、23年より現職。抗菌化学療法認定薬剤師(IDCP)。呉市学校薬剤師。座右の銘は「迷ったら、まず一歩踏み出す」。
【早田薬局 企業情報】
2000年創業。本社は東広島市安芸津町三津。支店にホーム薬局(呉市安浦町)とライフ薬局(呉市川尻町)を展開し、地域に根ざした調剤薬局として医療を支えている。2018年の西日本豪雨では支店のホーム薬局(呉市安浦町)が浸水被害を受け、同年12月に現在の場所へ移転した。
プレスネット編集部









