2026年衆院選において、広島4区(呉市、東広島市、竹原市等を含む新区割り)から比例復活で初当選を果たした鍋島勢理(なべしま せり)氏。彼女が直面する今後の課題や、地元の経済的課題、そして戦略について深掘りします。
なぜ国民民主党から出馬?
鍋島氏が自民党や他党ではなく国民民主党を選んだ理由は、主に以下の3点に集約されます。
• 「対決より解決」への共感
イデオロギーの対立よりも、具体的な政策の実現を優先する党の姿勢に強く共感したことを会見等で述べています。
• 専門分野(エネルギー政策)との合致
鍋島氏はロンドン大学でエネルギー政策を学び、東京電力(TEPCO)での勤務経験もあるエネルギーの専門家です。現実的なエネルギー安定供給や経済政策を重視する国民民主党のプラットフォームが、自身のキャリアを活かす場として最適だと判断したと考えられます。
• 第三の選択肢としての提示
自民・維新の現職がひしめく広島4区において、既存の枠組みに縛られない「新しい答え」を作るという党のメッセージが、彼女の若さや新鮮さとマッチしていました。
SNS(インスタグラム)の評価と投票への影響
鍋島氏のInstagramは、これまでの政治家の「堅苦しい報告」とは一線を画す運用で注目を集めました。
• 「等身大」と「政策」の融合
自身のルーツである美容師家庭の話題や子育て世代としての視点、さらに専門的なエネルギー問題を分かりやすく図解するリール動画などが、特に若年層や現役世代に支持されました。
• 投票への結びつき
広島県は前回選挙で投票率が全国最下位(40%台)だったという課題がありましたが、彼女はSNSを通じて「無党派層」や「これまで政治に無関心だった層」に直接アプローチしました。
• 分析
結果として、国民民主党支持層の8割近くを固めただけでなく、無党派層の支持を大きく広げることに成功しており、SNSでの発信力が「知名度不足」を補う決定的な要因となったことは間違いありません。
鍋島氏が票を集めた理由
彼女の最大の地盤となったのが、地元・東広島市です。
• 圧倒的な地域密着度
東広島市出身であり、東広島市議会議員(1期目)を務めていたため、地元での顔の広さが群を抜いていました。
• 教育現場での実績
市議になる前は東広島市教育委員会で「GIGAスクール構想」の推進に携わっており、教育DXの専門家としての顔も持っていました。この実務経験が、子育て世代や教育関係者からの信頼に繋がりました。
今後の鍋島氏の課題
比例復活という形での当選は、党の勢いに乗った側面も否定できません。次回の選挙で小選挙区(直接の選挙区)で勝利を収めるためには、以下の3点が大きな壁となります。
・ 小選挙区での「惜敗率」の向上
自民党の前職・新谷正義氏に対し、今回は約2万8千票の大差をつけられました。比例復活議員は「地元にいない」と批判されやすいため、国政での活動と並行して、いかに地元・広島4区全域に根を張れるかが問われます。
• 「エネルギー専門家」からの脱却と拡大
エネルギー政策には強い一方、農業や過疎化対策など、広島4区が抱える多角的な課題(特に竹原市や大崎上島町などの離島・中山間地域)に対してどこまで具体的な解を提示できるかが重要です。
• SNSフォロワーを「実弾(票)」に変え続ける力
今回のブームを一時的なものにせず、4年間飽きさせずに情報発信を続け、組織票を持つ自民党に対抗しうる「個人の応援団」を維持・拡大する必要があります。














