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(SAT)

日本料理 華てまり 大下喜幸さん「料理は人生そのもの」2026年2月15日で閉店

  • 2025/12/20

東広島の名店『華てまり』17年のまごころに幕

晴れやかな表情の大下喜幸さん

 東広島・西条で「日本料理 華てまり」を営む大下喜幸さん(62)が、2026年2月15日で店を閉める。呉市出身。高校卒業後、喫茶店でのアルバイトで料理に興味を持ち、鯛の姿づくりに心を奪われた。「どうせやるなら一番に」と大阪の辻調理師専門学校で学び、帰郷後は厳しい日本料理店で和食を徹底的にたたき込まれた。
 白竜湖グループで経験を重ねたのち、西条下見に「新創作美食三昧 なごみ空間 華ごころ」を開業した。若い弟子を独り立ちさせるために「華ごころ」を譲り、朝日町に「華てまり」を開いた。
 大下さんが貫いたのは「まごごろ」。既製品に頼らず手作りで季節を映し、器や盛り付けにも気配りを重ねた。郷土料理・美酒鍋も大切にし、「初めて食べた」「だしを持って帰りたい」などと喜ばれる声が何よりの力だった。
 大手チェーンが増える時代でも、「個人店ならではの良さで負けたくない」と工夫を重ねてきた、華てまりの17年間だった。
 閉店を決めた背景には、5年前の大病と二度の手術がある。「体力の衰えを感じ、昔より無理ができなくなった。今は素直に休憩して次の人生を考えたい」。それでも料理への情熱は消えない。「料理は人生そのもの」。閉店までの時間は「家に遊びに来る気持ちで、うまいものを食べて飲んで、普段と同じくワイワイ楽しんでほしい」と呼びかける。最後にお客さん、関係者、全ての人に「感謝しかない」と晴れやかな表情で語った。
 また一つ東広島の名店がその火を落とす。
(荒木光昭)

記者の目

 経済成長著しい東広島市において、飲食店の継続年数は極めて短い。平均営業年数はわずか8年弱なのだ。そんな中、華てまりは高評価を継続し、昨年は料理業界の名店にも数えられた。惜しむらくは体力の限界であろう。元気になればまた、あの名調子の料理解説とともに前線復帰されるだろう。期待したい。
(吉田実篤)

華てまり料理ギャラリー

店舗情報

店名日本料理 華てまり
電話082-422-0033
住所東広島市西条朝日町1-16
アクセス西条駅南口から徒歩10分
営業時間11:30 ~ 13:30
17:30 ~ 22:00
定休日水曜日

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