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記者とAIで総合分析 衆院選2026広島4区を振り返る

  • 2026/02/09

 第51回衆院選は2月8日、投開票が行われた。東広島市や呉市などが選挙区となる広島4区では、自民党比例中国前職の新谷正義氏(50)が、国民民主党新人の鍋島勢理氏(34)、日本維新の会前職の空本誠喜氏(61)を破り、6選を果たした。小選挙区で敗れた鍋島氏は、比例復活で初当選を決めた。

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目次

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3人の主張を可視化

それぞれが選挙戦で訴えてきた内容をAIが分析し、出現回数の多い単語を集め、可視化した。

広島4区の振り返り

 編集委員の吉田実篤と日川剛伸が広島4区を振り返った。

 吉田 雪の中での選挙だった。午後8時の段階で広島はすぐ自民党に当確が出た。広島4区も8時ジャストで、思ったより早かった。
 日川 前回9万3707票の空本氏は、新谷氏、鍋島氏双方から票を奪われた。構造的な問題で、決して本人が原因ではない。
 吉田 新谷氏にとって東広島以外は初めての選挙区。寺田稔夫人の圧倒的な応援と、県議・市議の終盤での活躍にはおそれいった。高垣市長の熱意ある「新谷正義がまちにどうしても必要!」との応援演説も多くの人を動かした。
 日川 鍋島氏という若い政治家が東広島から出てきたのはイメージアップになった。これまでの選挙の印象は固定化して少し古い感じがあったが、今回は新しさを感じた。
 吉田 市議を任期半ばで辞職していきなり衆院選に出て6万1335票を獲得。
 日川 勢いや女性であることなど、さまざまな要素が重なった結果。批判もあったが、タイミングが合えば出るべきだったと思う。しっかり票も取っており、これから時間をかけて国政で育っていってほしい。
 吉田 何年か先には東広島のために、女性目線での政策を街づくりに反映してほしいという期待がある。鍋島氏はエネルギー政策にも精通している。子育てとエネルギー政策という、これまであまり結びつかなかった分野を両方持っているのは興味深い。
 日川 色の違う2人が東広島から当選したのは、地域にとっていいこと。教育や女性の視点では鍋島氏、半導体やエネルギー、産業・経済政策では新谷氏と、それぞれ役割が見えてくる。
 吉田 東広島の発展にとって追い風になる可能性がある。今後に期待したい。

新聞には書けない選挙で起きた初めての…

 吉田 地域別に東広島市だけを見ると、新谷氏が約3万5000票、鍋島氏が約2万7000票、空本氏が約1万2000票だった。
 日川 妥当な結果だと思う。空本氏にとっては前回は対自民との一騎打ちで戦いやすかったが、今回は三つ巴になったことで票が割れ、与党の維新が勝ち切る選択肢が見えなくなった。
 吉田 公明党の票はどう動いたのだろう。
 日川 本来、公明票は中道と近い国民民主の鍋島氏に動くのでは、と思ったが、新谷氏とほぼ半々に割れた印象がある。自民党と公明党の連立与党時代、新谷氏は公明党の人たちと人間関係を築いていた。公明支持層にとっては、連立を離れたから、新谷氏を「敵」とはなかなか思えなかった。
 吉田 本来、公明票は中道と近い国民民主の鍋島氏に動くのでは、と思ったが、新谷氏とほぼ半々に割れた印象がある。自民党と公明党の連立与党時代、新谷氏は公明党の人たちと人間関係を築いていた。公明支持層にとっては、連立を離れたから、新谷氏を「敵」とはなかなか思えなかった。
 日川 一方、公明党が自民との連立を解消したことで、保守系の無党派層が自民の新谷氏に戻ったようにも思う。その理由には、公明党の支持母体である創価学会と東広島を含めた広島県西部に多い浄土真宗の安芸門徒との歴史的な背景に触れなければならないが。
 吉田 今回は、これまで選挙に関心がなかった人が投票に行く動きもあった。身近な人でも、自分の判断で投票先を決めた例が見られた。
 日川 鍋島氏は、市議時代、地元に顔を出す活動が多く、直接会ったことがあるという人が投票に向かっていた。地道な活動が票につながった面もある。
 吉田 鍋島氏が比例で復活したことは、東広島市にとっては大きな刺激になる。新谷氏にも一定の緊張感が生まれ、地元との関係でいえば、訪問先の門戸を広げていくきっかけになるのではないか。
 日川 実際、地元での活動量には差があったという指摘もある。今後は両者の動きが地域にどう影響するかが注目される。

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