全国の消防隊員が救助技術を競い合う「第50回全国消防救助技術大会」(全国消防協会主催)が今夏、東京都立川市で開かれ、東広島市消防局からは松田聡消防士長(31)と中田孝平消防士(29)が出場した。同大会には、予選を突破した約1000人の隊員が集い、鍛え抜かれた技術を披露した。(山北)
―日ごろの勤務や訓練で心掛けていることは。
松田 基本や初心を忘れないこと。そして、消防学校の教官に教えていただいた言葉「出来ることを出来るときに出来るだけやる」を大切にしている。
中田 救急救命処置を行う救急業務の中で、傷病者と家族の気持ちに寄り添い、安心してもらえるように心掛けている。また、どのような状況にも対応できるように知識と技術を磨き、市民が安心安全に暮らせるように日々訓練している。
―全国大会の出場種目と結果は。
松田 「はしご登はん」という種目に出場。結果は、はしごの1段目で足を滑らせてしまい、いつも通りとはならなかったが、15秒3の記録で入賞した。
中田 基礎訓練(個人の部)。水上部門の「複合検索」で、スノーケリングで救命浮環をくぐりながら水中に沈められたリングを引き揚げ、水中の行方不明者の捜索を想定した訓練に出場。記録は28秒1で入賞した。
―全国大会に出場して感じたことは。
松田 体力、技術、精神面で、消防士になった時と比べるととても強くなったと感じており、厳しい訓練や災害現場活動でも気持ちで負けることが無くなった。
中田 全国の選手の泳ぎ方などを見て勉強になった。良い経験になり、入賞して自信がついた。来年は、仲間と「水中検索救助の連携訓練(団体の部)」で全国大会を目指し、頑張っている姿を家族に見せたい。
―市民の皆さんへメッセージを。
松田 市民の皆様から信頼される消防士を目指し、これからも訓練、研さんに励みたい。
中田 命の危機に直面した時に適切な対応ができ、人命を救うことができる救急講習を、一人でも多くの人に受講してほしい。