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【対談】新型コロナウイルス対策、新しい生活に向けて「収束の形見えない 警戒は継続を」(勇木院長)

  • 2021/01/13

対談

 

 FM東広島の番組「市長と語ろう」では、東広島市の高垣広徳市長とゲストの対談を放送。7月22日には、東広島医療センター勇木清院長を迎え、「新型コロナウイルス対策、新しい生活に向けて」をテーマにトーク。その一部を紹介。
(聞き手/FM東広島パーソナリティー 吉岡直子)

 ―東広島医療センターがあることで私たちは安心して生活しています。

 高垣 東広島は、広島中央保健医療圏で、竹原や大崎上島と同じグループ。人口は計約23万人。その中の病院・医療部の頂点が東広島医療センターです。この地域における、高度の救急医療や周産期の母子医療の最後のとりでです。2類感染症指定病院でもあります。

 ―新型コロナの影響で、病院運営はがらりと変わったと思います。

 勇木 2類感染症指定病院は県内に4カ所しかありません。東広島医療センターの感染症ベッド数は4床。他の病院もあまり多くありません。1月から感染症の専門者会議が行われ、病床数、検査方法などについて、ずいぶん話し合いました。東広島医療センターでは、一般病棟から扉2枚ほど隔てたところで結核患者の診療をしていました。その時にいた結核患者を他の病院に任せて、この新型ウイルスと闘うことに。2月7日から結核病床を使って、基本的には14床分を提供する、と表明しました。院内にもコロナ対策本部を立ち上げて、朝晩、細かいところまで問題解決に努めています。スタッフの心のケアにも努めています。
 東広島医療センターにコロナ患者が入院したのは4月の初めで、6月5日には全員が退院。今は少しホッとしていますが、まだまだ油断できません。

 高垣 東広島医療センターはわが市にとってなくてはならない医療機関。そこで医療崩壊が起こるとさまざまな影響がある、と大変心配していました。

 勇木 医師会や東広島市から多くの物品や支援をいただきました。感染症指定病院なので、早くから手を打っていたのですが、医療資源、マスクやアルコール消毒などが枯渇しました。なかなか確保できない中、支えていただきました。

 高垣 市民の皆さんに寄付金を呼び掛け、それを原資として市内の飲食店に弁当を注文。6月に医療センターへ届けることができました。医療従事者の皆さんに、感謝と応援の気持ちを届けようという思いでした。

 ―現場はどうでしたか。

 勇木 ちょうど、感染症病床に入院していた患者さんが退院した日に弁当が届きました。緊張がほどけた瞬間でもあったので、スタッフが大きな声を出して喜んでいたのが印象的でしたね。

 ―新しい生活様式に関して東広島市で実施していることは。

 高垣 市内にドライブスルーの検体採取所を設けている他、医療圏の中で7カ所でPCR検査ができる体制となっています。体の異常があれば、医療機関に相談していただきたいですね。同時に、3密状態を避ける、マスクエチケットを守る、手洗いを励行する、など感染対策は不可欠。

 勇木 そうですね。新しい生活様式に関しては、無意識でも行えるようになることが大切だと思います。個人が自身の感染を防御する、そして人にうつさない。各企業はガイドラインを守る、といった対応を重ねていくことが重要です。

 ―自分も保菌者かもしれないところが、コロナの怖さ。

 高垣 陽性患者が出たときに、その患者に関する情報があまり出てこなくなりました。感染者に対する誹謗中傷が大きく影響しているのだと思います。インターネット上にはさまざまな情報が流れていますが、正しい情報に基づいて、正しく恐れて、正しい対応をしていくことが重要だと思います。それが自らを守ることになると思います。

 勇木 注意喚起がなくなると感染が拡大する可能性があります。コロナも変化するウイルスです。どんな形で収束するのかがまだ見えていません。警戒はまだ必要です。

 ―東広島市として今後の施策は。

 高垣 遠隔教育や遠隔会議など非接触型の行動が必要となってきます。もちろんこれまでのような対面型とのバランスを取る必要があります。そういう時代になった、ということを前提に施策も展開していく必要があります。

 ―勇木院長、市民へ呼び掛けたいことは。

 勇木 この20万人くらいの地域の中で、この半年間クラスターが起きていません。ということは、皆さんが有意な生活をしてきたということだと思います。今まで行ってきた感染対策はこれからも守っていただいて、正しい情報に基づいた対応をしていってほしいですね。

 

 

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