広島大学名誉博士で洋画家の難波平人さん(81)(同市八本松町原)の個展が10月12日、東広島市西条栄町の市立美術館(松田弘館長)で始まった。開幕に先立って開会式と作品展の内覧会が同美術館で行われた。
開会式で難波さんは「緑豊かな東広島市で生活し40年が経過した。新しくなった美術館で個展ができ、光栄に思い感謝している。今後さらに画業を俯瞰(ふかん)していきたい」と、あいさつした。
展覧会では、同氏の約60年にわたる画業を、学生時代から近年の代表作まで油彩画、水彩画、スケッチ画など約62点を、四つのゾーンで展示している。難波氏は「108カ国を訪ね、人々が極限のところで必死に生きている集落を追いながら、そこでしか見えない命の根源を見つめ、生きることの普遍性や崇高さを絵で表現してきた」と振り返り、194㌢×259㌢の大きな油彩画の前では「作品の特徴は上から見下ろす鳥の目で見るような視点でダイナミックに描き、あえて人の姿を描かないことで、人々の暮らしを表現した」と語った。
開催期間は12月4日まで。午前9時~午後5時。休館日は月曜日。観覧料一般800円、大学生500円、高校生以下無料。
(林)