ゼロ災害目標 社会インフラの一端支える
防水や防食、塗床工事などで社会インフラを守るポリテクノ（本社・東広島市三永3）。最先端の機械を導入しながら、安全で安心に暮らせる社会の一端を支える。会社は今年が創業15年目。山嵜慶彦社長に事業内容や、経営理念、これからの思いなどについて聞いた。（日川剛伸）
― 主な業務内容は。
防食を含めた防水工事が売上高の９割を占めます。工事別では、高速道路の橋梁箇所の防水工事が大きなウエイトを占めます。橋面には凍結防止剤に使われる塩化カルシウムをまくため、水分がコンクリートの劣化速度を急速に早めます。このため、劣化を防ぐためには、橋面の防水工事を適切に行う必要があるからです。
これまで、山陽自動車道や中国自動車道、九州自動車道など西日本の高速道路を中心に、液体状の樹脂などを路面に塗り付け防水層を作り出す、塗膜防水スプレー工法で施工を積み重ねてきました。交通規制ができる自動車道では、吹付ロボットを用いながら工事を行っています。
一方で、近年は建造物の防水工事にも力を入れています。県や東広島の公共事業の入札に参加できるようになりました。現在、賀茂高・竹原高の体育館屋根の防水工事を手掛けています。
― 工事（事業）にはマシンの充実が不可欠です。
現在、スプレーマシン６台、スプレーロボット３台、下地処理マシン21台など51台を所有しています。近年、さびや古い塗装を除去するレーザークリーニングマシンを、県内で初めて導入しました。最新のマシンを取りそろえながら、販路や事業を拡大していきたい、と思っています。
― 社員数は20人です。社員に訓示していることは。
ゼロ災害は会社の一番の目標ですから、安全第一だよ、と。おかげさまで事故はまだありません。社訓にも掲げていますが、言葉にして伝えることや、仕事は人に任せて学ぶことの大切さなども話しています。思っていることを言葉で発することで人に伝わりますし、コミュニケーションも図れます。仕事は人に任せることで、責任感が生まれ、自らも気付き成長できるからです。
― 2021年には、東広島市の推進するSDGsパートナー企業に登録されました。
快適な工事現場の環境を実現するため、トイレカーを導入したことがきっかけになりました。トイレカーにはトイレとエアコンを設置。現場にはトイレがない場所もありますし、夏場は熱中症の危険性も高まります。現場に出る女性社員が入社したのを機に導入しました。災害時には、トイレカーを貸し出すことも検討しています。
トイレカーは環境への配慮や社会貢献につながっており、SDGs宣言をしました。今後は、外国人を雇用する考えもあり、さまざまな取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくつもりです。
― 今年は創業15年目。節目の年です。
創業以来、売り上げは右肩上がりで順調に推移してきました。要因はお客さまとの信頼関係を構築できたことだと思っています。今年の売り上げの具体的な目標は、昨年を4億円上回る10億円です。昨年は大阪に、一作年は東京に営業所を開設し、売り上げを伸ばす態勢は整えました。将来的には50人の社員で50億円の売り上げを目指します。
そのためには、社員の会社への貢献度を、適切な基準で分析する人事評価制度を、今年中につくります。そうしないと社員は増えませんし、モチベーションも上がりません。
― 10年後の会社をどう描かれていますか。
10年後も今と同じ状態の会社であること。つまり会社の存続が一番です。私は「成功する人は方法を探し、成功しない人は理由を探す」という言葉が大好きです。そのマインドを心のよりどころにしながら、社員一人一人が、自分の存在価値を確認し、輝いている会社にと、思っています。
企業情報
〒739-0026 東広島市三永3丁目16番4号
TEL：082-426-1630
2010年、山嵜社長が起業した。本社は東広島市三永3丁目。同市河内町の河内企業団地内に施工事業部を持つ。東京都と大阪府に営業所。現社員数は20人。昨年の売上高は6億円。主な取り引き先は熊谷組、大成建設など大手ゼネコンや官庁など。
山嵜慶彦さんプロフィル
1962年、東広島市安芸津町出身。大阪学院大学卒。大阪で観葉植物のレンタル業を営む会社に勤めた後、帰郷。2010年4月起業し、ポリテクノを興す。
