トウモロコシのような大きさと姿で、食感はタケノコやヤングコーンに似ている。近年、産直売り場などで見かけるようになった「マコモダケ」は、今の時季しか出回らない、なかなか出合えない野菜。珍しい秋の味覚をいつもの食卓に加えてみては。

東広島市では豊栄町や福富町、黒瀬町などで栽培されている。黒瀬町大多田の兼業農家・住川浩輝さん(23)の「ひろき畑」では、田植えと同じ時期に、田んぼに水を張って苗を植え、栽培。9月中旬に水を抜いて、収穫。苗は約2㍍にも成長。根元に近い肥大化した茎を刈り取る。

栽培は5年目で「味を知る人が増え、年々売れ行きが良くなっている」と浩輝さん。食物繊維が多いことや、イグサのような香りがする葉は玄関や部屋のインテリアにもなることなど、魅力ある面白い野菜だという。マコモダケはスーパーの産直コーナーなどで販売しており、出荷は10月上旬~下旬まで。

さっそく食べたい! 下ごしらえ、どうすれば?
1.外側の緑色の葉を手でむく。

2.白い部分の表面をピーラーなどでむく。1周むく程度でOK。

3.カットして調理。あく抜きは不要。生でも食べられるが、火を通すとほのかな甘み。

切ったら斑点! 黒い斑点はなに? 食べても大丈夫?
黒い斑点は「マコモズミ」と呼ばれる。食感や食味に影響はなく、食べられる。

千切りにしてめんつゆ・砂糖で味付け。好みで七味 きんぴら

油との相性が◎。ななめ切りでからっと揚げる 天ぷら

ひろき畑の皆さん。「家族で会話しながら作業するのが楽しくて、喜び」と浩輝さん。

栄養や調理法
くせがなくあく抜き不要のマコモダケ。
栄養の特徴はこちら。
・低カロリー&低脂肪
・食物繊維が豊富
・カリウム・葉酸が多い
住川家では、天ぷら、かき揚げ、チンジャオロース、バターいためなどにして、よく食べるそう。また、みじん切りにして、ハンバーグや餃子に入れても食感が楽しく、相性がよいとのこと。
農業の楽しさ
浩輝さんにやりがいを聞くと、「収穫の喜び、食べてもらう喜び、家族みんなで育てる喜びがあるから」とにっこり。
両親や兄弟と一緒に「ひろき畑」を運営しており、顔を合わせて話をしながら作業することに喜びを感じている。「自然が相手で思うようにはいかないことがあるけど、この喜びが原動力になっています」と話す。
家族によると、浩輝さんは〝レタスの土づくりが上手〟。野菜嫌いの子どもも食べるほど、葉がやわらかくおいしいそう。
わきあいあいとした住川家が作る野菜は、市内スーパーの産直市などで販売している。
文 橋本礼子
写真 井川良成(料理は提供写真)

















