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(WED)

【東広島市長選】新聞記者の取材をもとにAIが分析

  • 2026/02/04

高垣広徳氏が3選

 任期満了に伴う東広島市長選は2月1日、投開票が行われ、現職の高垣広徳氏(72)(自民、立民、維新、公明、国民、公明推薦)が、サイエンス作家の大山宏氏(77)を大差で破り、3選を果たした。投票率は28・84%で、過去最低だった前回の2022年を上回ったものの、2番目の低さだった。  (日川)

この取材をもとに今回の市長選をAIが分析した。

問われる選挙の在り方

 今回の選挙も前回同様、現職の無投票再選阻止を掲げて、大山宏氏が立候補した。「無投票は民主主義の健全性を損なう」との価値観を持つ市民が一定数いることから、大山氏の行動は、一定の意義を持つ。
 では、なぜ今回選挙も投票率が30%に届かない異例の低さに終わったのか。一つ目は、「無投票阻止だけ」が大きな目的だと、市民(有権者)は投票行動の選択肢に見なさないことだ。選挙戦では、市民の多くは子育てや交通、医療など、生活に直結する課題を重視し、それをどう解決するのか―といった政策を求める。
 しかし、大山氏の場合、無投票批判だけで、政策的な裏付けが極めて乏しく(市政には関係のない訴えはあったが)、市民には、「選挙を成立させるだけの候補」という印象が強まったのだ。
 二つ目の理由は、市民の「疲れ」が蓄積したこと。大差で現職が圧勝した前回選挙と同じ構図だったため、市民の間には、「また同じことを繰り返している」という感覚が強くなった。
 三つ目の理由は、現職の高垣広徳氏が強すぎる構造だったため、市民には「形だけの選挙」に見えてしまったこと。主要政党が現職に相乗り、盤石の態勢を築いた上に、現職には企業誘致や人口増加、大学周辺の発展など、2期8年の目に見える成果があり、対立候補が勝つのは難しい状況を生み、市民に選挙に行くまでもない雰囲気を作らせた。
 無投票を批判する人たちが、本来望んでいるのは、「誰でもいいから出る」候補者ではなく、「現職と対峙(たいじ)する政策を持ったリーダー」だ。前回と今回の市長選を見る限り、立候補者には、市政を担うにふさわしい資格審査も必要なのではないだろうか。


ポイントは経済基盤の強化。呉との連携も不可欠

高垣市政の展望

 高垣広徳市長の3期目の市政運営が始まった。3期目は、1期目と2期目でまいた種を育てていく集大成の4年間だ
 高垣市政は、第5次東広島市総合計画を基盤にしながら、自治体と大学が連携して取り組むタウン&ガウン構想や、誰もが安心して暮らせる共生のまちづくり、研究機関が集積するポテンシャルを生かした、大規模企業誘致や中小企業支援、災害に強い防災・減災対策に取り組んできた。
 どの政策も緒についており、市民が各政策を目に見える形で実感できるかが、大きなポイントになるだろう。
 とりわけ重要になるのが、マイクロンを軸とした経済基盤の強化だ。マイクロン広島工場(八本松町)では、現在、DRAM(半導体メモリ)の製造と開発を担っており、今後は、1兆5000億円規模を投資して、新工場を建設する計画を持つ。経産省も最大で約500
0億円の助成金を広島工場に支給する計画だ。
 この投資は、AI(人工知能)向けの次世代メモリの製造拠点を国内に置くものとして注目される。東広島市は、サプライヤーを中心とした国内外企業と人材の集積を図る地域として無限の可能性を持つことになる。
 高垣市長は、東広島市が「日本のシリコンバレー」になる夢を描く。その実現には、呉市との連携強化は不可欠。東広島市の強みは、大学が立地し、半導体の頭脳拠点として、研究人材の供給源となることだ。一方、呉市は戦前からの精密加工・重工系の技術が蓄積し、港湾・物流施設が充実しているのが強みだ。
 両者を合わせると、研究から試作、製造、物流が半径30㌔圏で完結することになり、東広島市と呉市で、半導体の共同事業体を組むことは、実に現実的なことなのだ。
 では、なぜ経済政策に力を入れることが大切なのか。企業の進出は、法人市民税や固定資産税が市の税となり、安定的な税収アップにつながる。さらに企業で働く従業員とその家族の定住が進むと住民税が増える。人口が増えると、市で消費する人が増え、市内のサービス産業が潤う。好スパイラルが生まれるのだ。税収増の果実は、生活道路などのインフラ整備や、子育てや医療・保育の充実など、市の課題解決にも回すことができるのも重要だ。
 高垣市政は、決して派手ではない。だからといって軽くもない。一歩一歩積み上げていく政策が多いからこそ、実現には時間がかかる。その意味では、3期目の4年間をしっかりと見たい。
 今回選挙で大山氏が獲得したのは5831票。高垣市政の取り組みが見えにくいゆえの批判票だったのだろうが、それにしても多すぎる。不思議といえば不思議だ。

AIが分析 2025~26年広島県内3市長選挙の比較

AIが分析 東広島市長選における「批評票」の推移

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