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(SAT)

男女の全国都道府県対抗駅伝に東広島の中学生4人が出場

  • 2025/02/15

 1月に行われた全国都道府県対抗男子駅伝(19日に広島で開催)と同女子駅伝(12日に京都で開催)で、東広島市の中学生4人が、広島県代表として中学生区間(男女とも2区間)(3㌔)。それぞれ持ち味を発揮し、県チームの入賞に貢献した。4人を紹介する。



松賀中の左から佐々木優空さん、河野蒼人さん、高橋悠樹さん
松賀中の左から佐々木優空さん、河野蒼人さん、高橋悠樹さん
磯松中の東心絆さん
磯松中の東心絆さん

 女子で代表に選ばれたのは磯松中3年生の東心絆さんと、松賀中3年生の佐々木優空さん。

 東さんは3区を担った。17位でタスキを受け取ると、粘り強い走りで14位に順位を押し上げた。区間順位は9分53秒で14位。目標としていた区間10位内には届かなかったが、「チームには、少しは貢献できたのかな」と目を細める。

 レース前は、全国からトップ選手が集い、緊張もしたが、県チームのアンカーを務めた谷本七星選手(名城大)から『落ち着いて走れば大丈夫だから』と声を掛けてもらい、リラックスしてレースに臨むことができた、という。



東さん

 何より、他県の選手の走りを見る余裕が生まれた。「みんな、走るフォームがきれい。(全国で戦うためには)もっとフォームを改善しないといけないことに気が付いた」。課題を確認できたレースにもなった。

 トラックレースでは、昨年、全国中学校選手権(1500㍍)への出場もできた。トラックと駅伝で全国舞台を踏んだ経験を財産に、今春、駅伝の強豪校に進む。

 東さんは「目標は全国舞台。そのためには、日ごろの生活態度も含めて人間性をもっと磨き、みんなから応援される選手になりたい」と目を輝かせている。

◇     ◇

 佐々木さんは、上り坂が多い8区を担った。区間順位は10分09秒で8位。目標だった10分と一桁のタイムを達成し、楽しんで走ることができたと胸を張った。9位でタスキを受け取ったが、後ろからタイムの速い選手に抜かれた。沿道からの応援の声に励まされ、気持ちを切り替えて前を走る選手を全力で追い上げ「絶対前の選手を追い抜く」と強い気持ちでラストスパートをかけて9位をキープしアンカーにつないだ。

 走る前に9区でアンカーの谷本選手から『楽しんで走ってね』とやさしく声を掛けてもらい、緊張がほぐれ自分の走りができたという。小中学校の先輩で7区の高本依真選手(世羅高)からも『頑張ってね』とタスキをもらい、背中を押してもらったと笑顔。



佐々木さん

 合宿などでトップ選手と交流する機会があった。『走りがきつい時こそ気持ちを切りかえて走るとラストまで自分の走りができる』と走る時の気持ちの入れ方などについて助言してもらい多くのことを学んだ。

 4月から高校生になる佐々木さんは「自分でペースを刻み、調子が悪い時でもプラスに考え自分の思い通りの走りができるような選手になりたい」とメンタルの強化にも取り組み「目標は、高校1年生でエース区間を走ること」と目を輝かす。

◇     ◇

 男子で代表に選ばれたのは、松賀中3年生の河野蒼人さんと高橋悠樹さん。

 河野さんは、2区を担った。2区は、レース序盤でペースをつかむために大切な区間。

 11位でタスキを受け取ると、粘り強い走りで入賞圏内の8位に順位を押し上げ力走した。区間順位は8分46秒で16位。

 中学生最後のレースなので楽しんで走ることと順位を上げることが目標だった。「1区の本宮優心選手(世羅高)がいい位置でタスキを渡してくれたので、自分も順位を上げて3区にタスキをつなぐことができた」と充実感をにじませた。

 地元開催で沿道からの熱い声援が追い風になり、全力で楽しく走り切れたという。

 これまでを振り返り「家族や指導者、友だちなど多くの人に応援してもらい支えてもらった」と感謝した。

 河野さんは、小学2年生から陸上を始めた。中学2年生の時に、陸上クラブチームの先輩が出場した都道府県対抗男子駅伝を応援に行き出場したい思いが強くなったという。



河野さん

 レース前に合宿などで代表チームの高校生やアンカーを務めた菊地駿弥選手(中国電力)と交流した。

 菊地選手からは『人生を選択する時にいろいろな意見はあるが、最後は自分。失敗しても人のせいにしない』と私生活が競技につながることを教えてもらい、心に響いたという。

レースについては、3人を追い抜いて流れをつくることができたが、区間順位には納得できていない、という。「駅伝の目標は区間賞獲得。高校生になっても、全国都道府県対抗男子駅伝大会に出場したい」と表情を引き締めていた。

◇     ◇

 高橋さんは6区を担った。6区は、順位をキープしながら確実にアンカーにタスキを渡す大切な区間。

 8位でタスキを受け取り粘り強い走りで、入賞を狙える9位でアンカーにタスキをつないだ。区間順位は8分56秒で14位だった。

 レースでは、兵庫と宮城の選手と3人で競り合ったが、ラストで競り負けして悔しい思いもあったが、沿道からの多くの熱い声援が心に響き走り終えたときには、気持ちが晴れやかだったという。

 広島県代表としてのプレッシャーが大きかったが、県チームの雰囲気が良く、菊地選手から『人生は何事もやってみたら何とかなるので怖がらずに挑戦すること』や『プレッシャーを気にせず自分がどれだけ楽しめるかを考えて走る』などとアドバイスをもらい、安心してレースに臨むことができた。

 高橋さんは「序盤から積極的に前に出てレースを組み立てるのが自分の走るスタイルだが、終盤になりラストスパートが弱くなる。全国レベルの選手と競り合っても勝てるような強いラストスパートを身に付けることと、私生活でもやるべきことを継続させ、さらに強い選手になれるように頑張りたい」と力を込めた。



高橋さん

 高橋さんの次の目標は全国高校駅伝大会への出場。「エース区間で区間賞を取れるような選手になりたい」とさらなる成長を誓った。

 河野さんと高橋さんとは、3年間一緒に走ってきた仲間。「中学生最後の大舞台で、お互いに刺激し合えた仲間と一緒に走ることができて本当に良かった」と口を揃えていた。

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プレスネット編集部

広島県東広島市に密着した情報を発信するフリーペーパー「ザ・ウィークリープレスネット」の編集部。

東広島の行事やイベント、グルメなどジャンルを問わず取材し、週刊で情報を届ける。

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