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情熱INTERVIEW 東広島市名誉市民に新たに2氏

  • 2025/08/29
山内吉治さん(左)と原田康夫さん
山内吉治さん(左)と原田康夫さん

授業研究や心の教育推進
現場の励み、エネルギーに

山内 吉治さん(92)
元東広島市教育委員会教育長

やまうち・よしはる 昭和8年生まれ。広島大学教育学部を卒業後、中学校教諭として教育現場に立ち、校長や東広島市教育委員会教育長を務めた。学校教育や社会教育の充実を図り、生涯学習や青少年育成、地域文化の発展に尽力。教育長退任後も市立美術館長、青少年育成広島県民会議副会長、熟年大学長、社会福祉協議会長などを歴任。教育・福祉・文化の幅広い分野で地域に貢献。瑞宝双光章をはじめ数多くの表彰を受けている。

 「教育界の先人、同志を代表していただいた。教育界の皆さんへ報告し、喜び合いたい。現場の人の励みとなり、明日へのエネルギーとなることを願う」と語る。
 3期12年、教育委員会教育長を務めた。授業研究や心の教育を推進し、生涯学習や市民スポーツ大会の定着にも貢献。英語力の育成や全小中学校へのパソコン導入などを推進した。
 市制施行50周年を記念した東広島市史の先行編「東広島教育の挑戦と西条独創教育」の西条独創教育部会長も務めた。「先行編のテーマに『教育』が選ばれたことがうれしい。市の発展に教育が大きな役割を担ったということだと受け止めている」と振り返る。
 元気の秘訣(ひけつ)でもある信条「一生学び続けて自己を磨く。そして自分の道を歩む」。変化の激しい時代、子どもたちに必要な教育は―。今も常に考え、学び続けている。

(橋本)



大学の統合移転完了に尽力
今も現役医師でテノール歌手

原田 康夫さん(94)
元広島大学長

はらだ・やすお 昭和6年生まれ。広島大学医学部を経て同大学院博士課程を修了。耳鼻咽喉科分野の研究で成果を挙げ、広島大学教授・附属病院長を歴任後、医学部長を経て平成5年に学長に就任し、東広島キャンパスの整備を推進。平成13年に退官後は広島市病院事業管理者や文化財団顧問として地域医療・文化振興にも尽力。平成6年、バラニー学会から日本人初の金賞を受賞。平成21年、瑞宝重光章を受章。

 「名誉市民はありがたいこと。運が良かったのでしょうな」
 平成5年、広島大の第9代学長に就任すると、遅れていた大学の東広島市への統合移転を加速化。大学紛争の余韻が残る中、「私の代で移転を完了させる」と不退転の決意で取り組みを進め、学園都市の礎を築いた。
 アイデアマンでもあった。約250㌶という東広島キャンパスの広さを生かしたいと、桜など多くの樹木を植栽。欧米の大学を手本に、構内の公園化を推進した。「これからの大学はPRの時代」と、大学名を記した高さ40㍍の広告塔(旧煙突)を整備した。
 94歳の今も、現役の耳鼻咽喉科医として患者を診察する傍ら、テノール歌手として、舞台に立つ。「音楽をやるために、喉が専門の医師になったようなもの。でも、研究のおかげで、まだまだ高音域の声は出るからね。ハハハ」。若々しい声で笑い飛ばした。

(日川)



東広島市の名誉市民

木阪ユク(高屋町)医師
重藤文夫(西条町) 医師
藤井 實(府中市) 医師
武則一水(西条町) 初代東広島市長
石井 武(西条町) 実業家
沼田惠範(志和町) 開発者・実業家
井藤勲雄(西条町) 銀行経営者
市岡武夫(西条町) 酒造技術者
髙𫞎績二(八本松町) 医師・東広島市議会初代議長
佐竹利彦(西条町) 実業家
大山廣司(安芸津町) 政治家
讃岐照夫(西条町) 第2代東広島市長
岡田 茂(西条町) 実業家
谷川和穂(志和町) 政治家
岡本綾子(安芸津町) プロゴルファー
山中勝巳(安芸津町) 力士・指導者
佐竹利子(西条町) 実業家

顕彰年順、敬称略、カッコは出身地

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プレスネット編集部

広島県東広島市に密着した情報を発信するフリーペーパー「ザ・ウィークリープレスネット」の編集部。

東広島の行事やイベント、グルメなどジャンルを問わず取材し、週刊で情報を届ける。

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