酒酔い・熱中症に対応 医療機関への救急搬送ゼロ
東広島市を代表するイベント「酒まつり」が10月11~12日、JR西条駅周辺で開催され、大勢の人が来場。例年、課題となる酒酔い患者の救急搬送の件数を減らすことを目的に、市と実行委員会は今年、臨時の診療所を会場内に設けた。患者はそこで処置を受けたため、酒まつりの開催時間中、酒酔い・熱中症で一次・二次救急の医療機関に救急搬送されることはなかった。(橋本)

市役所北館1階に「酒まつり市役所診療所」を開設。救急要請が入ると、まず、会場内に5カ所ある救護所に待機する看護師や大学生・実行委員が対応。病院での治療が必要と判断されれば、市役所診療所に救急車で搬送する仕組み。
市役所診療所には、医師と看護師・大学生・実行委員会が常駐し、8床を設けて対応。酒酔いや熱中症の患者を診察し、点滴などの処置をした。2日間で29人を診療。

救急搬送件数は昨年、過去最多の41件で、搬送先の医療機関が満床になる事態になった。酒まつり保安救護委員会(木村優一委員長)はこれを「酒まつり存続の危機」と捉え、東広島地区医師会や市などに相談。「会場内に診療所を作り、医療機関の病床圧迫を防ぐ」ことを決めた。
木村委員長は、「病院をゼロからつくるにはさまざまなハードルがあった。市、医師会、医療機関、保健所、消防、警察、JRの皆さんの理解と協力で実現することができ、感謝している。チームとなり取り組み、実現することができた。来場の皆さんもチームの一員として、適正飲酒で来年の酒まつりを楽しんでほしい」と話していた。















