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(THU)

来年から変わる広島県の公立高入試 何が変わる?~県教委に聞く~

  • 2022/03/22
  • 2022/03/22

広島県の公立高入試が、2023年春から抜本的に変わる。入試制度の変更は01年度以来となる。「何が変わるの?」―。来年の入試を控えた受験生や、受験生を持つ保護者にとっては、気になっている人も多いことでしょう。県教委・学校経営戦略推進課の担当者に入試制度の変更点を聞きました。

 

公立高入試

 

入試制度を変更する理由は。

 

県教委では、14年12月に広島版「学びの変革」アクション・プランを策定し、生徒自ら課題を発見し解決する能力(主体的な学び)を培う教育活動に取り組んでいます。そうしたことなどを踏まえ、本県の15歳の生徒にどのような力を身に付けさせたいか、という観点から入試制度を改善することにしました。「自己を認識し、自分の人生を選択し、表現することができる力」が、受験生にどの程度身に付いているのかをみる入試になります。

 

新しい入試のポイントは。

 

一つは受験生自らが自分の進路や希望に合った高校を選択できるよう、全ての高校で、教育目標や育てたい生徒像、入学者選抜の実施内容などを事前に公表するようにしました。教育目標については、大人目線の抽象的な表現から、中学生に分かりやすい内容にします。

 

もう一つは、試験期間の短縮による、中学校や高校の教育活動の充実のため、これまでの、推薦入試の選抜Ⅰと一般入試の選抜Ⅱを統合し、一次選抜として全ての高校が実施することにしました。合格者が入学定員に満たなかった学校(学科)では、従来の選抜Ⅲに代わる、二次選抜を行います。

 

一次選抜の具体的な内容は。

 

学力検査、調査書、自己表現の3つの得点の合計点で合格者を決定します。配点の比重は学力検査6、調査書2、自己表現2となります。学力検査は、5教科で行い、学校によっては特定の教科の配点を他の教科よりも高くできる傾斜配点も可能にしました。

 

調査書(内申書)は簡素化し、学習の記録の評定だけにとどめ、従来のボランティアや生徒会活動などの記録欄は廃止します。学習の記録の学年間の比重も、従来の1:1:1から1:1:3とし、3学年の評定を3倍にします。

 

自己表現は、「自己を認識し、自分の人生を選択し、表現することができる力」がどのくらい身に付いているのかをみるために、面談形式(5分)で行います。従来の面接とは違い、礼儀作法や話し方のテクニックは評価の対象になりません。受験生が5分間で自由に自分を表現する場と思ってください。

 

一次選抜で合格者を決定する方法は。

 

全ての学校(学科)で統一的に実施する一般枠による選抜と、学校(学科)の特色が出る内容で行う特色枠による選抜の2通りあります。一般枠では定員枠の50%以上の合格者を決定し、特色枠では定員枠の50%以内で合格者を決めていきます。

 

特色枠による選抜の有無は、各学校で決めていくので、特色枠を実施しない学校も出てきます。特色枠は、先ほどの6::2で統一する一般枠での得点の比重を学校裁量で自由に決められ、学校ごとに特色を出しやすくしたのが特徴です。例えば、学力検査の比重を2にして、自己表現を6にしても良く、学力検査の5教科の配点の設定も自由です。

特色枠を実施する学校では、全ての受験生の得点を特色枠の内容で換算し、合格者を決めた後、特色枠で合格とならなかった受験生の得点を、一般枠の配点に換算して合格者を決める2段階選抜になります。

 

もっと知りたい!

なぜ、調査書の3学年の比重が高くなるの。

 高校入試は、高校の教育を受けるために必要な学力が付いているかを見るために行います。このため、中学3年のときの到達度が大切になることから他の学年に比べて3倍にすることにしました。

 

人前で話すことが苦手。自己表現が不安です。

 自己表現は話し方のテクニックをみるものではありませんから安心してください。自分の作品や賞状などを持ち込むことも可能ですので、自分自身のことを、自分で選んだ言葉や方法で、自分らしく伸び伸びと表現することが大切です。

 

なぜ学力検査の比重が高まるの。

特色枠を含めての比重で考えると、従来の選抜Ⅱとの単純比較はできません。調査書の比重は2としていますが、これまで学校で記載していた内容の一部は、自己表現で、自分自身でアピールすることになりますし、特色枠では、調査書の比重を高めることも可能です。ただ、特色枠で合格とならなかった場合は、一般枠での選抜になりますから、学力を身に付けておくことも大切です。

 

一般枠だけの選抜をする学校はどのくらい。

何校になるのかはまだ分かりません。今回の入試制度の変更は、受験生がより一層、主体的に進学したい学校を選べるということがポイントの一つです。このため、県教委では、学校・学科の特色に応じた選抜を実施してもらいたいと考えています。なお学校裁量で、特色枠、一般枠の選抜それぞれで実技検査や作文などの独自検査を行うこともできます。

 

文 日川剛伸

 

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