
警備事業などを手がけるシナジーコミュニケーションズ(東広島市西条町寺家)は12月18日、同市西条町下見の工事現場でAI(人工知能)交通制御システムKB-eye(ケイビーアイ)」の視察会を開いた。同システムは人手不足の解消や工事現場の安全性向上を目的としたもので、市役所職員や土木建築会社の関係者ら約60人が参加した。

同システムは、AIが工事区間周辺の渋滞情報などの道路交通状況を映像解析し、最適な信号切り替えのタイミングを判断。現場のディスプレーに「止まってください」「進んでください」と表示する。そばに1人、AI警備オペレーターが付き、異常時に対応する。

これまで複数人で対応していた片側交互通行をKB-eyeが担うことで省人化できる。警備員不足による工事遅延の解消に貢献するほか、危険度の高いストッパー業務をAIが代替することで、事故リスクの低減も期待されている。

視察会は、土木工事などを手がける大建(おおけん)の工事現場で開かれ、シナジーコミュニケーションズ警備事業部の吉本義正(よしもと・よしまさ)部長がシステムの仕組みを説明。参加者は、AI制御によって交通が円滑に流れる様子や、安定した警備体制を確認した。

シナジーコミュニケーションズは2023年、県内で初めて同システムを導入。同社の樽本陽輔(たるもと・ようすけ)社長は「高齢化が進む警備業界で事故リスクを減らすため導入した。若い世代がAI警備オペレーターという新しい職業に関心を持ち、長く働ける仕事として広げていきたい」と話していた。(山北)
プレスネット編集部










