
広島大学で活躍する若手研究者たちの挑戦を伝えるシリーズ「広島大学の若手研究者に聞く」。研究者を目指したきっかけや研究の内容、やりがい、これからの目標など、一人一人の挑戦に迫ります。
今回お話を聞いたのは…
広島大学大学院先進理工系科学研究科准教授 安部祐一さん
専門はロボティクス(ロボット工学)
研究者を目指すきっかけ
大学1年時に参加した火山探査ロボット製作のゼミで研究の面白さに魅了され、「なぜ生物のように動けないのか」という疑問から、その仕組みを解き明かしたいと研究者を志した。
専門分野
専門はロボティクス。ロボットの体をつくる「機構」、周囲を把握する「センシング」、動きを制御する「制御」の中でも、特に制御工学を中心に研究している。
ただ、優れた制御には適した構造も欠かせないため、ロボットの形や仕組みと制御の両面を重視した設計に取り組んでいる。
研究テーマ
生物特有のしなやかで複雑な動きを数学的に解析し、その原理をロボット設計に生かす研究を進めている。単なる模倣ではなく、動きの仕組みを解明し、生物を超える柔軟で高性能なロボットの開発を目指している。
研究内容
ヘビ型の索状ロボットや多脚ロボットの運動制御について研究している。
索状ロボットでは、高圧流体を噴射してホースを浮上させることで火災建物内への進入・消火を目指している。単に流体を噴射しただけではホースは暴れてしまうが、ホースの柔軟性や流体との相互作用を活用して、少ない計算で浮上を安定化する方法を開発している。
多脚ロボットでは、昆虫を参考に柔軟性を生かした歩行制御を研究している。

研究成果
流体噴射ロボットで、100気圧の高圧ノズルを開発し、先端からの噴射だけで約5㍍の安定浮上・飛行に世界で初めて成功した。

研究のやりがい
ロボットが動いた瞬間だ。極寒の中、水浸しで失敗を重ねたが、不可能と思えた長さまで流体噴射ロボットが飛んだ時の感動は苦労が報われる最高の瞬間だった。
今後の研究目標
まずは、浮上距離10㍍の達成を目指している。今後は、機敏な動作を実現するための制御方法の開発を進めるほか、AIやカメラを活用した自律消火や、配管洗浄など消防以外への応用も視野に、実用化への研究を加速させたい。
■PROFILE
1988年生まれ。兵庫県出身。2017年京都大学より博士(工学)を取得。東北大学大学院工学研究科助教、大阪大学大学院基礎工学研究科助教などを経て25年より現職。
(文・山北)
プレスネット編集部















