12/6

(TUE)

近畿大工学部 荻原昭夫新学部長インタビュー「楽しく学べるキャンパスに」

  • 2022/11/22
  • 2022/11/23

近畿大工学部(東広島市高屋うめの辺)の新工学部長に、情報学科教授の荻原昭夫氏(57)が新たに就任した。ICT(情報通信技術)の進展など新しい時代を見据えた、工学部の運営や学生の育成などについて、思いを聞いた。

近大工学部長
プロフィール
おぎはら あきお
1964年、兵庫県生まれ。大阪府立大学工学部卒。同大学大学院工学研究科博士課程修了後、大阪府立大学准教授などを経て、2012年から、近畿大学工学部教授。近畿大学工学部長補佐(18年~22年9月)を経て、22年10月から現職。研究テーマはデジタル化された音楽コンテンツの情報処理技術。

工学系の情報人材育成に尽力

◆一番に取り組みたいことは。

 私が学生の頃と比べると、今の工学部の学生は、「少しおとなしいな」と感じることがあり、もっと学生らしく、にぎやかに活動してほしいという願いを込め、「Fun to Learn(楽しく学ぶ)なキャンパス」を思いとして掲げた。奇をてらったことをするのではなく、学べることを楽しく学べる、本来の大学らしい大学にと思っている。学生の知的好奇心を刺激、学生がワクワクするようなキャンパスをつくっていきたい。

◆その一環として、時代に即した施設や設備を導入されています。

 学生同士が、活発に議論できる場を、と3年前にアクティブ・ラーニング施設を整備した。学生食堂もリニューアルし、オシャレなカフェも設けた。今年は、食堂前に、「学生の憩いと活動の場」を新設した。

朝食から夕食まで提供するカフェ
朝食から夕食まで提供するカフェ

◆来年度から情報系学科の入学定員を増員されます。

 情報学科と電子情報工学科の定員を増やす。メタバース(仮想空間)に代表されるように、情報系エンジニアのニーズは、今後高まってくるからだ。一方、化学生命工学科でも、これまでの化学、バイオに加え情報処理技術も学べるよう全コースを改変。どのジャンルにも情報人材が必要とされる時代の到来は必至。複数の分野にまたがった学びが必要になってくるからだ。

◆工学部は全国トップレベルの就職率を誇ります。

 社会に貢献できるエンジニアを育てることは工学部の使命。キャンパス内に併設している、工学部の研究者と企業・行政をつなぐ「次世代基盤技術研究所」には、多くの学生も関わっている。研究所のプロジェクトを推進させ、実学教育を充実させたい。

◆今年3月には、東広島市と近畿大で包括連携協定を締結されました。

 大学と行政が連携してまちづくりに取り組む「Town&Gown(タウン&ガウン)構想」が来年度から本格的にスタートする。私立の総合大学としての得意分野を生かし、地元企業のイノベーション創出やスマートシティに向けた先端技術の活用などを推進したい。

 学生生活を楽しく過ごせるように、と整備した「学生の憩いの場」

学生生活を楽しく過ごせるように、と整備した「学生の憩いの場」。サークル活動の会合や、読書や自習、学生同士の語り合いの場など、自由に活用することができる。

◆工学部長の傍ら、教育・研究という本来の仕事もあります。

 大学の先生になったのは、教育が好きだから。授業も時間の許す限りやりたいし、研究室の学生も育てたい。学生と接すると、学生が大学に望む生の声を察知することができる。学部長の仕事に生かせると思っている。ただ、学部長は工学部6学科の全てのことを把握し、工学部全体の立ち位置を考えなければならない。じっくり考える時間も必要で、時間が足りないのは本音(笑)。時間の配分に気を付けながら、両立を図っていきたい。

◆座右の銘は。

 「先人からいただいた財産を後ろにバトンタッチすること」をモットーにしている。僕が大学の教員になったのは、学生時代に、先生の教えに共感したから。その先生は学生目線で、学生が挑戦したいことを応援してくれて、いざというときには守ってもくれた。今度は僕が学生にその教えを返していきたい。先人からいただいた恩を、後進に伝えていくことで、日本の教育はもっと良くなると信じている。

◆学生の育成についての思いは。

 最新の技術は教えるが、それが10年後にも使えるかといえば、保障はできない。今の技術を学ぶことはもちろん大切だが、学生には、未来永劫使える学び方のスキルを身に付けてほしい。個人的には社会情勢の変化にも対応できる学生を育てていきたい。

ウイズコロナ時代を迎えて

1 今年度からPCを全学生に必携化。
2 今年度から広島キャンパス(工学部)を含む近畿大の全キャンパスで、学生が空いている時間を活用して授業動画を視聴、理解度をチェックできるKICSオンデマンドをスタート。
3 教室に大型の熱交換形換気機器を導入。換気を行いながら、受講に適した室温を維持できるように。
4 教室に大型モニタを設置。後方座席の学生の視認性向上を図った。

関連する人気記事

新着記事