3/19

(TUE)

市内どこからでも通学できるように! 小中一貫特認校の福富小・中学校の特長って?

  • 2023/03/01

東広島市は、学校教育を充実させるさまざまな取り組みを行っています。その一つが「小中一貫教育」。現在、小中一貫校が市内に3校あり、このうちの1校である市立福富小・中学校(福富町下竹仁)は今春から「小中一貫特認校」になります。どのような特長があるのでしょうか。市教育委員会や福富小・中に伺いました。(東広島市提供)

目次

目次

 

【特徴1】学区外から通学できる

小中一貫特認校は、市内全域からの就学・転入学を特別に認めた学校です。東広島市は2023年度から小中一貫特認校制度を導入し、福富小・中が初めての認定校になります。

東広島市立福富小・中学校。2階建ての一つの建物に小学生、中学生の教室があります。

同校は児童87人、生徒46人が在籍しています。小規模のメリットと9年間を通した特色ある教育を、希望する人が受けられるよう特認校に指定しました。就学に当たっては、次の条件があります。

就学の条件

  1. 児童・生徒が東広島市内に居住していること
  2. 特認校の教育活動に賛同し、協力できること
  3. 保護者の責任と負担で、児童・生徒を通学させることが可能であること(通学に関して、保護者による送迎や路線バスの利用などは保護者の責任と負担とする)
  4. 原則として、卒業するまで就学すること
東広島市立福富小・中学校のグラウンド
東広島市立福富小・中学校の玄関ホール

【特徴2】豊かな体験を通した学びができる

福富小・中では、21年4月から小中一貫教育を実施しており、特色の一つが「地域とのつながりを生かした学び」です。

地域課題を題材にした学習は、小中を通して行います。学習のときには、小学1年生から中学2年生までが2学年ごとのペアになり、課題解決に向けて児童・生徒が主体的に取り組みます。

学習の中で出たアイデアに、地域の皆さんが協力してくださることもしばしば。社会と通じた学びができています。

ゲストティーチャーの地域の人と一緒に、川の生物を調査する小学3~4年生

また、福富町には移住して起業した人などが多くいます。その人をゲストティーチャーとして招き、これまでの歩みや職業観を話していただいたり、現地で体験させていただいたりしています。自己の生き方を考えたり、福富の魅力を再発見したりするきっかけとなっています。

【特徴3】中学校の教員が小学校の授業もする

中学校の美術、音楽、家庭科、体育の教員が、小学校の授業も受け持ちます。今年度は、2年生と4年生の図画工作、5年生と6年生の家庭科といったように分担しています。

2年生の図画工作の授業。教えるのは中学校の美術の教員(左)。学級担任の教員(右)は児童のサポート

小学校の学級担任制から中学校の教科担任制への子どもの戸惑いを軽減させることと、9年間を通して系統性・連続性を踏まえた学習指導を行うことにつながります。

小2の図画工作の授業を見学!

小学2年生の図画工作の時間を見学させていただきました。
中学校の美術の藤井先生が、小学2年生の図画工作を担当。学級担任の香川先生は、教室内で子どもたちの様子を見ながらサポートします。

この日のテーマは、「身近なものを使って変身しよう」。教育課程は小中一貫でない学校と変わりありません。

どんなところが専科の先生らしいのか、学級担任の香川先生に聞くと…

学級担任の香川先生

香川先生:「展開の幅が広く、私も勉強になります。例えば、準備する材料の種類が多く、たくさんの中から子どもたちは想像力をふくらませて工夫をしています」

中学生の先生に教えてもらうことについて、子どもたちの反応は…。

香川先生:「小学校は学級担任が主に授業をするので、中学校の先生に教えてもらえる時間ということで、わくわく楽しみにしているようです」

子どもたちの様子を見ていかがでしょうか。

香川先生:「自分が授業するときと違い、子どもたちと同じ目線で様子を見ていると、『こんな道具や材料を使って、こんな表現ができるんだ』と、いつもと違う一面を発見することがあります」

中学校の先生にとって、小学生の授業をして発見などあるのか…、藤井先生にお聞きすると…

中学校の美術を教える藤井先生

藤井先生:「小学生は初めて出合う材料が多く、見せるだけでも盛り上がって、こちらもうれしくなります。中学生の授業では、小学生の時に使ったであろう材料も忘れてしまっていることも気付き、いろいろな材料を用意することを意識するようになりました」

小学生は中学生を意識していますか。

藤井先生:「小学校低学年の授業で、中学校で使っているプリントを使用した際に『これは中学生も使っているんだよ』と伝えると、うれしそうな誇らしそうな反応だったことが印象的でした。5~6年生と中学1年生の教室が同じフロアにあり、廊下にそれぞれの作品を展示しています。『中学生になったらこんなことをするのか』と感じていると思います」

【特徴4】コミュニケーション能力が育まれる

小中一貫の学び舎で育まれる力を中谷校長先生に伺いました。

福富小・中学校の中谷校長先生

さまざまな場面で、異学年が交わるため、特に「コミュニケーション能力」が育まれていると感じます。上級生は下級生に対して、分かりやすく伝えるよう一生懸命考えます。

下級生は、憧れでもある上級生に教えてもらおうと必死に聞いて理解しようとします。地域の人たちとの交流も多く、伝える力、聞く力が日々育まれています。こういった経験が、自分を見つめ、将来について考え、自分の言葉で表現する「自己表現」の力につながっていると感じます。

新小学1年生を迎えるレクリエーション

【メモ】東広島市の小中一貫校ー小・中学校の9年間を通した教育を行う小中一貫校。東広島市内では現在、福富、志和、河内の3町にそれぞれ1校ずつ設置されている。福富小・中学校は21年4月、志和小・中学校と河内小・中学校は22年4月に設置。河内中学校は入野小学校とも、一貫教育を行っている。

素朴な疑問

小・中学校合同で行う行事や活動は?

行事では運動会、活動では総合表現「調和」が代表的です。運動会では中学生がリーダーとなって小学生を引っ張り、とても盛り上がります。「調和」は5~6年生と中学生が一緒に行い、中学生が小学生に踊りを教えます。運動会や地域行事のアクアフェスタで披露します。

合同運動会
総合表現「調和」

校長先生は何人?

小中一貫して校長は1人です。教頭は小中各1人の合計2人です。

小学校の卒業式、中学校の入学式はあるの?

それぞれ、3月、4月に式典を行います。

いきいきこどもクラブは利用できる?

小中一貫特認校制度を利用して通学することになるため、利用できます。

募集スケジュール

4月の就学・転入を希望する人の受付期間は以下の通りです。年度途中からの就学については、東広島市教育委員会学事課へお問い合わせください。

【受付期間

2023年1月18日(水)~2月7日(火)
※就学・転入学に当たっては、学校で面接を行います。

【問い合わせ

東広島市立福富小・中学校
電話:082-435-2341

東広島市教育委員会学事課
電話:082-420-0975

関連する人気記事

新着記事