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東広島建物見学 旧木原家住宅 商家の暮らしうかがえる江戸時代前期の町家

  • 2024/11/29
旧木原家住宅

高屋町白市にある豪商の面影

 江戸時代の寛文5(1665)年に建てられた旧木原家住宅。西日本でも一、二を争うほど古い町家で、国の重要文化財に指定されている。

土間の流しの前から天井を望む。当時の梁(はり)や柱が残る。中央の壁が2階部分
土間の流しの前から天井を望む。当時の梁(はり)や柱が残る。中央の壁が2階部分
2階は奉公人の寝所。左下にはしごがある。左上が採光用の高窓
2階は奉公人の寝所。左下にはしごがある。左上が採光用の高窓

 郷土史研究会の説明によれば、木原家は酒造業や瀬戸内海沿岸部の竹原で塩田業などを営んでいた。塩は当時の貴重な品であり、塩田業は大きな利益をもたらした。白市は竹原で製造した塩を中国地方の山間部へ届ける交通路だった。
 座敷の位置が特徴的。一般的な町家では、座敷は奥まった場所に設けられることが多いが、木原家住宅では表通り側に配置されている。これは、商家の表玄関としての役割を果たしていたことを示している。

1階の平面図(リーフレットより抜粋)写真提供/東広島市教育委員会
写真提供/東広島市教育委員会
通り側にある座敷(客室)から店(商談する場所)を望む
通り側にある座敷(客室)から店(商談する場所)を望む

 現在の出入り口は平面図=上=の大戸口にあたり、当時は奉公人用の出入り口であった。
 また、2階に奉公人の寝所があり、はしごで上り下りをする。ことわざで「はしごを外す」という言葉は「孤立させる」という意味があるが、文字通り2階に上がりはしごを外されてしまうと、奉公人は降りることもできず2階で何もすることができない。そういった言葉の由来も旧木原家住宅では観察できる。

店(商談する場所)の格子戸
店(商談する場所)の格子戸
生活用の井戸。酒造りには大量の水を使った
生活用の井戸。酒造りには大量の水を使った

 このほか、一般的な町家にはある格子窓がなく高窓が一つしかないことなど、ここでしか見られない特徴がある。

写真・文/徳原秀靖

建物の裏。建物手前の門や窓、壁や屋根は増築した部分で角屋(つのや)と呼ばれる
建物の裏。建物手前の門や窓、壁や屋根は増築した部分で角屋(つのや)と呼ばれる

旧木原家住宅
東広島市高屋町白市1046‐1
開館/10時~17時(12月~3月は16時閉館)
休館/月曜日、年末年始(12月28日~1月5日)
入場料/一般 150円(団体135円)
    小・中・高校生(18歳以下)は無料

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プレスネット編集部

広島県東広島市に密着した情報を発信するフリーペーパー「ザ・ウィークリープレスネット」の編集部。

東広島の行事やイベント、グルメなどジャンルを問わず取材し、週刊で情報を届ける。

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