東広島市消防局は、西日本豪雨災害での救助活動を教訓に、断水時でもまとまった水が確保できる大型水槽を備えた化学水槽車などを導入し、近く配備する。3月13日には、同消防局内で公開訓練が行われた。
今回導入された化学水槽車は、積載水量8000㍑と県内最大で、水による消火が不可能な危険物火災に対応する薬液500㍑も合わせて積載できる。悪路の走破能力に優れ、多くの人員や機材を搬送できる新型の指揮車両と、霧や煙が立ち込める中でも生存者の熱源を感知する赤外線カメラ搭載の無人航空機ドローンも合わせて導入した。購入費は総額で約9100万円。
この日は、西日本豪雨の際に管内で発生した実際の災害現場が再現され、倒壊した家屋に取り残された人の救助と、倒壊家屋付近で発生した火災の消火訓練が行われた。警防課の隊員がドローンを操作して要救助者を発見、救助隊員たちが指揮車両で現場に到着して、要救助者を助け出した。消火栓や防火水槽が土石流によって埋まり水源が確保できない中、化学水槽車が駆け付け放水を行った。
東広島消防署の山中勝司副署長は「新たな装備の配備は、安心安全な町づくりにつながる」と期待しながらも「こういった装備を使わなくてもいいように、市民一人一人に早めの避難を心掛けてもらいたい」と話していた。(茨木)