農家の苦労や米文化、農業の課題などを学ぼうと、近畿大学附属広島中学校東広島校(高屋うめの辺)の1年生128人が9月28日、鎌を使った昔ながらの稲刈りを体験した。
稲刈りは、同校近くの約100平方㍍の田んぼで行われた。生徒は、田んぼを貸している地元農家の福島玉三さん(81=高屋町杵原)やJAの職員たちに鎌の使い方を教えてもらいながら、田植えから4カ月で約60㌢に成長した黄金色の「ヒノヒカリ」を手際よく刈り取っていた。その後、天日に干して籾(もみ)を乾燥させるため、刈り取った稲を10束ずつひもで結ぶと、田んぼの中に組み立てられた「はぜ」と呼ばれる棒に次々と掛けていた。
毎年1年生が総合学習の一環として、21年前から地元農家やJAの協力で年間を通した稲作実習に取り組んでいる。今年は新型コロナウイルスの影響で5月末まで休校だったことから、田植えは生徒に代わって教職員が行っていた。
実習に参加した山野隆翔さんは「祖父の家に田んぼがあるので手伝いたい」、野平清夏さんは「これからは食べ物を大切に、残さずに食べるようにしたい」と話していた。福島さんは「収穫は農家にとって一番大切な時。一生懸命取り組んでくれた。秋の実りを喜んでもらいたい」と話していた。
12月には稲わらを使ったしめ飾り作りにも挑戦する。