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奥田小由女など女性作家に焦点 工芸や絵画など19点展示 東広島市立美術館でコレクション展

  • 2021/12/16

「天翔る讃歌」を鑑賞する来場者
「天翔る讃歌」を鑑賞する来場者(撮影・山北)

 東広島市西条栄町の東広島市立美術館(松田弘館長)でコレクション展第Ⅱ期「巡りあうわたしたち」が開かれている。12月26日まで。

 

 同展は、広島ゆかりの作家・奥田小由女が、女性の飛躍を象徴する作品として1989年に制作した大型レリーフ「天翔(あまかけ)讃歌(さんか)」(広島県所蔵)を中心に10人の女性作家に焦点を当てて展示している。女性作家の作品をコレクション展として特集するのは今回が初めて。

 

 「天翔る讃歌」は、高さ約2m、幅約13mで、これまでの人形作品の枠を超えた大作。同市八本松町の川越勝弘さん(80)は「女性の顔立ちが柔らかく、平和そのもので人生の幸せを感じる。緑の色合いが素晴らしい」と見入っていた。

 

 展示は、版画や工芸、絵画などの作品を2章で構成している。第1章は「息づく鼓動」で、食べ物やファッションなどを題材にした草間彌生の版画や、ろうけつ染によって人間の生命力を表現する藤川素子の工芸など10点を展示。第2章は「うつりゆく時間」と題し、植物のみずみずしい一瞬をメゾチント(銅板を直接彫る技法)で版に刻む丹阿弥丹波子の作品や、画面の中に相反するものを同居させることで、不安定な現代社会を油彩で描いた遠藤彰子の作品など9点を紹介している。

 

 開館時間は午前9時~午後5時(入館は閉館の30分前まで)。休館は月曜日。観覧料は一般300円、大学生200円、高校生以下無料。

 

(山北)

 

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