緊急レポート 東広島のコロナ対策
政府は7日、新型コロナウイルス感染が急拡大している沖縄、山口、広島3県に特別措置法に基づくまん延防止等重点措置を適用した。期間は9日から今月末まで。当初、広島県内での適用地域は県西部の5市町の計画だったが、東広島市でも今年に入り感染者が急増したことから対象区域となった。東広島市の新型コロナ対策の動きを追う。【2面に関連】(取材班)
東広島市の感染状況の傾向と特徴
●年末年始の行動が発端となったケースが多く、症状有の受診で陽性が判明したケースが多い。
●20代以下の大学生、高校生で感染者全体の8割を占めている。
●県外往来の方で年明けPCRセンターを受検した陽性者が散見される。
●これまでの第4波、第5波と比較して感染拡大、感染者数の増加のスピードが速い。
東広島市の資料を基に作成(1月9日)
東広島市でも今年に入り感染者が急増。広島県内全体では5日、1日の感染者数が138人に。県は「これまでに経験したことのない拡大スピード」として6日にまん延防止等重点措置の適用を政府に要請した。
同日、広島県内の市長・町長のウエブ会議が開かれ、その後に東広島市役所で開かれた市対策本部会議で高垣広徳市長は「このペースだと16日の週には県内で1日80 00人の感染者が出る」と説明。間近に控えた新春駅伝大会や成人式の扱いなどが協議された。
会議の結果、8日の新春駅伝は中止、10日の成人式は延期に。市関係者によると、6日の昼ごろは、成人式は実施する方向で動いていた。実際に、事前に決めていた感染規模と実施に関するガイドラインでは、この時点の状況だと保護者の参加なし、アトラクションなしなどにして規模を縮小して実施する計画になっていた。しかし、県の動きや市内感染者数の伸びなどを判断して延期の決断に至ったという。
本紙の取材に対し、高垣市長は「急な事なので、市民の皆さんには〝なぜ?〟という思いもあるかと思うが、一手でも早く対策を講じることが必要だと判断した」とコメント。「強い危機感を持って、先手を打たなければ適切な対応ができない。リスクに対しては、適正なシミュレーションの中で対応することが重要だ」と理解を求めた。
公共施設の対応
東広島市はまん延防止措置期間の1月31日まで、市内の地域センターや福祉関連施設、スポーツ関連施設などの公共施設の利用について、原則、新規の予約を停止している。学校・保育施設は、活動内容を限定し、教育活動をしたり開園したりする。児童館は通常通り開館する。