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東広島の一級建築士によるコラム 第1回テーマ「新築・建て替えがいい? それともリフォーム?」

  • 2022/06/27

家や建築に関するさまざまな話題をシリーズでお届けします

一級建築士 栁河元木さん アリクデザインスタジオ代表取締役
一級建築士 栁河元木さん アリクデザインスタジオ代表取締役
目次

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優先順位や価値を見極めてどう暮らしたいかを考える

タイミングの正解はあなたに必要なとき

 最近、「家を新しくするのは待った方がいいですか?」とよく聞かれます。新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナ情勢などの影響で、建築材料や労働力が高騰しているためです。

 少し待つと落ち着くかもと期待したくなりますが、材料の品質も上がっていますし一度上がった値段はそう簡単に下がりません。家を新しくするタイミングの正解は、あなたに必要なとき。結婚や同居、子どもの進学、家族構成が変化するときです。

新しくする方法のメリットデメリット

 家を新しくすると決めたら、次に考えることはどんな家にするか。まずは、新築・建て替えかリフォームかです。今回は、それぞれのメリットデメリットを考えてみます。

 新築・建て替えのメリットは、間取り、設備、面積の自由度が高く要望がかないやすい点。決めることが多くストレスだという声もありますが、設計士などトータルでみる視点があれば解決できます。設備も最新で住みやすさを追求できるため、リフォームに比べてコストはかかりがちです。

 リフォームのメリットは、既存のものを生かせるためコストカットや工事期間の短縮につながる点です。ただ、耐震補強や土台のやり直しなど予定外のコストや期間がかかるということも。建築工法で動かせない壁がある、調整区域で建て替えできないなど、「自分の家なのに好きにできないの?」と思うことがあるかもしれません。

プロに相談して価値を見極める

 注目したいのは、リフォームは価値を引き継ぐ、ご家族の思い出を残すなど「思い」を大切にできるという点です。東広島には大工さんの仕事を施した家も多く、「できるだけ残して生かしたい」という声を聞くとうれしくなります。しかし、使えなくはないが使うほどではないという性能の場合も。そんな時は建築士として家や材料の価値を見極め、施主さまの思いにそった家づくりを提案していきます。

 家を新しくするきっかけ、できることも人それぞれ。家づくりは、周辺環境・敷地条件など現状から優先順位確認しながら検討していくことが必要です。大切なことは、どう暮らしたいかです。

新築・建て替え

建て替え
イメージ

メリット
 間取り、設備、面積の自由度が高く要望がかないやすい

デメリット
 設備を最新にするなど住みやすさを追求できるため、リフォームに比べてコストがかかりがち

リフォーム

リフォーム
イメージ

メリット
 既存のものを生かせるため、コストカットや工事期間の短縮につながる

デメリット
 耐震補強や土台のやり直しなど予定外のコストや期間がかかる可能性もある

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