毎月1回発行している「THE,PRESS」(ザ・プレス)では、今年も東広島の政治・経済の話題を中心に、ザ・プレスならではの視点で特集を組んできた。今年、取り上げた記事から、読者の反響を集めた話題をピックアップした。(日川)
―シリーズで紹介― 市の誇り 百年超え企業

8月~11月号のザ・プレスで4回にわたって取り上げたのが、東広島で創業100年を超える企業。多くの困難を乗り越えながら、市の経済を支え続けてきた長寿企業に迫った。
東広島市は、江戸時代から旧西国街道の要所にあたり、江戸期から明治期にかけて創業した事業所は100社近くに上る。ザ・プレスでは、この中から14社をピックアップした。
今年が創業350年の白牡丹酒造は、創業時の思いが、現在も経営の指針として受け継がれていた。サタケは精米機の開発が、後の純米酒誕生の基盤となっていた。スタンレー電気は、志和製作所がグループのモデル工場になっていた。他の事業所にも、それぞれに物語があり、興味深かった。読者からの反響も上々で、人気のシリーズになった。
「地域との強いつながり」「技術力・営業力」「顧客との信頼関係」―。14社に共通する長寿の秘訣(ひけつ)だった。
【掲載事業所】(順不同。会社の種類など省略)
白牡丹酒造、お茶の平野園、志和貨物自動車、上垣組、スタンレー電気、加賀友禅の店くろかわ、立本醤油、小泉新聞舗、サタケ、本宮商会、石井印刷所、明治安田生命保険、ツモリオート、川口歯科医院
高垣市政の2期目を総括

高垣広徳市長が来年2月1日に投開票される東広島市長選に3選を目指して立候補を表明したのを踏まえ、9月25日号では、高垣市政に詳しい関係者に2期目を総括してもらった。
特集を組んだねらいは、高垣市政の評価を紙面でしっかり伝え、客観的に分析したかったから。インターネット上に広がる偏った報道やフェイクニュースに警鐘を鳴らしたい思いもあった。
紙面に登場したのは7氏。3氏には高垣市政の2期目の公約の実現度を3段階でチェックしてもらい、4氏には2期目の評価と、評価を踏まえての今後の要望を聞いた。10月16日号では、高垣市長の要望に対する回答を掲載した。
市長選まで1カ月余り。市民には市政を正しく知ったうえで投票を行ってほしい。詳しくはこちら
市の功績、数字で示す SDGs先進度調査で中四国1位

5月22日号では、数字をもとに東広島市の功績を取り上げた。日経が行ったSDGs(持続可能な開発目標)の先進度調査で、東広島が中四国の自治体で1位、全国でも27位になったことを紹介した
外国人市民向けの行政サービスの充実や、スタートアップ企業の支援、使用済みペットボトルを再びペットボトルにリサイクルする「水平リサイクル」などが評価されたことを掲載。市内企業の間にも、SDGsの取り組みが浸透していることも記した。
東広島市では、2020年、内閣府の「SDGs未来都市」に、県内の自治体で初めて選ばれ、官民が協力しSDGsの取り組みを進めてきた。市民の間では、SDGsの言葉はすっかり定着しているといってもいいだろう。ちなみに大学生の間では、SDGsの取り組みが就職の際の大きな判断基準になっている、という。
市予算・市民目線で紹介
過去最大規模となった市の予算がどう使われているのか。3月20日号では、市民目線で知りたい10の項目を市に質問、回答を掲載した。
予算の記事は、市民(読者)にとっては必要不可欠な情報。ただ、行政用語の多い予算は、市民には、今一つ伝わっていないのが実情だ。その橋渡し役を務めたのが、20日号の紙面。市民生活に直結する項目を中心に、高垣広徳市長が力を入れる政策について、市の思いを紹介した。
質問項目は小児科医・産科医不足への対策や、ガードレールや歩道のない通学路対策、高騰する物価への対応策、Town&Gown構想の成果など。それぞれに具体的な施策の内容を盛り込んでもらい答えてもらった。
2025年度の予算が、市民にどのような結果(成果)をもたらしたのか。26年はその検証も行いたい。
市議の一般質問 3段階評価で見える化

7月17日号では、市議の一般質問の、予算への反映度を、3人の識者に3段階で判定してもらった。
議会と執行部は、対等な立場から「二元代表制」と呼ばれる。本来、野党であるべき議員の質問が、どれだけ予算化されているのかを、議員を選んだ市民に知ってほしい思いで、特集を企画した。一般質問は、2025年予算に反映されやすい24年6月定例会の内容を選んだ。
判定結果を分析してみると、議員の質問が市政を動かして予算に結び付けた案件もあり、議会が執行部の追認機関になっていないことを伺わせた。












