
食品スーパーの「ショージ」を県内15店舗で展開する西條商事(本店・東広島市西条町土与丸、蔵田亮社長)。創業時から、地域に愛される店づくりを掲げ、店舗運営を進めてきた。2020年に5代目の社長に就いた蔵田亮氏に、会社の強みやこれからの思いなどについて聞いた。(日川)
地域の「生活インフラ」支える存在に

―1951年の創業から一貫して大切にしてきた思いは。
「地域密着」の一言に尽きます。当社は、賀茂郡(現東広島市)の各地域の小売店に日用品を卸すことから始まりました。その地域への思いは、現在も脈々と受け継がれています。現在、東広島市では10店舗のスーパーを展開しています。中心市街地の西条だけではなく、豊栄町や黒瀬町、高屋町など市内の各地域に出店しており、それぞれの地域の生活圏に深く関わってきました。
西日本豪雨災害やコロナ禍で、スーパーマーケットは、地域の「生活インフラ」を支える存在だと再認識しました。移動がままならない状況でも、それぞれの生活圏内にきちんと店があること。当社が果たすべき役割だと考えています。
―2018年から移動スーパー「とくし丸」を始められました。
以前は店にきてくださっていたのに、年齢を重ねて来店できなくなってきた―。そんなお客さまのために、今度は私たちが出向き、恩返しをしたいと考えたのが、「とくし丸」を始めるきっかけになりました。私自身、子どもの頃、両親が配達する車に同乗して各家庭に商品を届けていました。毛細血管のように隅々まで商品を届ける移動販売の仕組みは、私の原風景に驚くほど重なりました。その思いもあり、とくし丸の仕事は、「地域を知る当社だからこそできる」と強く思いました。
とくし丸は現在、17台が稼働しています。
商品の質を高め選ばれる店に
―他社との競争が激化する中で、ショージの強みは。
買いやすい価格と、地域に根差した商品づくり力です。価格面では、PB(プライベートブランド)を充実させ、品質が良く、買い求めやすいCGCグループの商品を取りそろえています。独自の商品である総菜のお好み焼き、すし・巻きずし、おはぎ、ベーカリーのホテルブレッドは一定の評価を得ていると考えています。ご当地グルメの「コメカラ」や「ひがしひろしま焼き」なども商品化。また、広島を中心としたメーカーや地元生産者の商品を多く扱っています。地産地消と地域経済の活性化をこれからも推進していきます。
―最近、手書きのポップ広告がSNSで反響を集めたと聞きました。
スタッフが書いた大学芋の詰め放題のポップを、来店した大学生がSNSに投稿したのがきっかけ。1270万回も再生され、驚きました。投稿のコメントには「AI(人工知能)時代に、手書きで温もりを伝えている姿勢が良い」「書いた人の顔が見え、買い物に行きたくなった」という声が多くありました。
AIを活用した生産性の活用は不可欠。しかし、効率ばかりを追い求めた店は、果たしてお客さまにとって面白いのでしょうか。SNSの反響は、これからの取り組みに示唆を与えてくれました。
―これからの展望は。
売上高130億円を一つのマイルストーンとして掲げています。むやみに規模の拡大を追うのではなく、店舗ごとに商品の質を上げ、地域に選ばれる店を残していきたいと思っています。そのため、社員には「何よりも販売を楽しんでほしい」と伝えています。自分が良いと思ったモノを仕入れ、主体性を持って販売する。その仕事の喜びを忘れないでいてほしいと願っています。
【蔵田 亮さん プロフィル】1972年8月24日生まれ。東広島市出身。中央大学商学部卒業。2003年西條商事株式会社に入社。バイパス店、高屋駅前店、エスタ店など店舗運営に従事した後、本部業務改革室室長赴任。2014年常務取締役。2020年11月代表取締役社長に就任(5代目)。経営の理念は、「地域愛着」「誠実奉仕」「良質安価」。
【西條商事株式会社】 1951年創業。小売店を対象に日用品の卸売りを始める。1953年、西条町本町に小売部を併設し、「主婦の店」として営業。68年、店舗の名称を「ショージ」に改称。その後、東広島市を中心に三原市や世羅町、広島市などに出店。現在、食品スーパー15店舗、業務用食品スーパー2店舗を運営する。
プレスネット編集部













