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【東広島まち発展ストーリー】なぜ高屋に中高一貫校 元県幹部で元参議院議員 菅川健二

  • 2026/08/31

教育の充実と立地が決め手に

 東広島市高屋町にある広島県立広島中学校・高等学校、通称「県広」は、県立初となる併設型中高一貫教育校として20 04年4月に開校した。
 同校がなぜこの場所になったのか。私が広島県教育長をしていた1992年、用地の選定が行われた。

 その当時、本県の教育は、戦後一貫して高校進学率が上昇し、1980年代後半には、ほぼ100%に近い状況に達し、これまでの画一的な高校教育を見直す時期を迎えていた。生徒一人一人の個性を伸ばし、自ら学ぶ力を育む教育への転換が求められたのである。

 そこで、1989年、有識者や教育関係者による「魅力ある高校づくり懇談会」を設置し、協議を重ねた結果、次のような魅力ある高校づくりのための具体的な方策が取りまとめられた。

 ①新しいタイプの高等学校の設置、②新しいタイプの学科・コースの設置、③総合選抜制度の見直しや学区制の弾力的な運用等

 このうち、新しいタイプの学科については、1991年に国際科を安芸府中高校、1992年に福祉科を黒瀬高校、体育科を広島皆実高校等にそれぞれ設置した。

 最も重要な課題とされていた新しいタイプの高校の設置については、まず用地の選定が先決と考えた。

 県の中央部に位置し、当時の東広島市の教育長・山内吉治氏(現東広島市名誉市民)の下で初等教育が充実していることに加え、広島大学教育学部や県立教育センターとの連携が期待できることなどから、東広島市域が最適との結論に達した。

 ちょうどその頃、国鉄が分割・民営化。設置された国鉄清算事業団が、保有土地の購入を県に勧めた。その中に広島鉄道学園西高屋分所の跡地があり、学校用地として適当と判断して購入したのである。

 さっそく、地元出身で当時の広島文化学園理事長・坂田正二氏を中心に「新設高校整備検討委員会」を設置。協議を重ねた結果、新設高校のあり方についての提言が出された。

 その内容は、本県高校教育の活性化につながる先導的な役割を果たす学校であること、個性を伸長し、国際化に対応した特色ある教育活動を行う新しいタイプの学校であること、入学者選抜に当たっては、通学区域を全県一円とする多様な選抜方法を導入することなど。この提言を受けて具体化に取り組んだが、特に入学者選抜に当たって、地元の普通科高校の学区制との調整に時間を要し、後任に実現を委ねることとなった。

 その後、再び本県教育をリードする学校を設置する気運が高まり、現在の全県一円を募集区域とする中高一貫教育校が誕生したのである。

 2015年には、文部科学省からグローバルリーダーの育成を図る「スーパーグローバルハイスクール」事業の指定を受けるなど、全国的に注目される中高一貫校となっている。

 今後、国内はもとより国際社会で活躍する人材を輩出する全国有数の中高一貫校として発展することを期待したい。

■プロフィル
すげかわ けんじ/東広島市出身。東京大学法学部卒業後、自治省(現総務省)に入省し、地方行財政制度の立案に携わる。広島県では、企画、商工労働、総務の各部長、教育長など要職を歴任し、県政の中枢を担った。参議院議員、広島大学客員教授にも携わり、行政、政治、教育に精通した人物。

プレスネット編集部

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