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一生の宝物 夏に躍動した中学生 全国中学校体育大会 上位進出

  • 2023/09/04

 全国中学校体育大会が8月、四国地方で開催され、東広島市からも予選を勝ち抜いた多くの選手が各競技に出場し、目標に向かって力いっぱい戦った。全国舞台で上位の成績を残し、ひときわ輝いた部(選手)を紹介する。

目次

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西条中柔道部 新たな1ページ刻む

個人戦準優勝
 男子55㌔級宮田樹さん
 女子57㌔級大田由奈さん
女子団体 ベスト16

西条中柔道部 新たな1ページ刻む
全国大会に出場した西条中柔道部の選手。宮田さん(後列中央)と大田さん(前列中央)は準優勝に輝いた

 男子の55㌔級で宮田樹さん(3年)が、女子の57㌔級で大田由奈さん(3年)がそれぞれ準優勝。女子の40㌔級で濱岡楓さんが5位に食い込んだ。全国初出場となった女子団体はベスト16に進出した。

 昨年の全国で5位入賞の宮田さんは今回、「日本一」という明確な目標を掲げ全国舞台に挑んだ。準決勝まで全て一本勝ちの強さで決勝に。決勝は延長の末、判定で惜敗。あと一歩で全国制覇を逃した。女子の主将を務める大田さんは、3年間取り組んできた努力が実り、女子では同校初となる〈銀メダル〉を勝ち取った。

 部のモットーは「自分で考え、自分で勝て」。柔道の基本を徹底的に習得した後は、選手自らが勝つためには何が必要かを考え、稽古に励む、という。選手の自主性を育てる指導が西条中の強みになっているようだ。宮田さん、大田さんとも決勝戦の敗因を分析しながら、「高校では、今回負けた悔しさを晴らしたい」と誓う。

 指導する佐伯卓哉監督は、「みんなよく頑張った」と振り返りながら慢心はない。「無差別で戦う団体は、県の決勝で敗れ全国を逃した男子と合わせ、全国の強豪校とは体格差がある。体格で劣る分、心技体の心をもっと鍛え、全国と勝負していく」と意欲を見せている。

八本松中剣道「力は出し切った」

男子個人3位 大熊一慧さん
女子団体 ベスト16

八本松中剣道「力は出し切った」
全国大会に出場した八本松中剣道部の選手。後列右が個人戦3位の大熊さん

 女子団体は2年連続で全国に出場。昨年を上回るベスト16に進出した。個人戦では男子の大熊一慧さん(3年)が3位入賞。女子の有場優さん(2年)もベスト8まで駒を進めた。指導に当たる今井惇平監督は「選手は持っている力を出してくれた」と目を細めた。

 全国予選となった県選手権では、男子団体は決勝で敗れ、全国を逃したが、女子団体で優勝。個人戦は大熊さんと有場さんが県の頂点に立ち、全国切符を手に入れた。全国では、団体が最低限の目標をクリア。大熊さんと有場さんも、持ち味を出し切った。

 部員数は男子が9人、女子が8人。人数が少ない分、学年間の垣根がなく、選手同士が気付いたことを話し合い、励まし合いながら稽古を積み重ねてきた。地域の道場で幼少期から剣道を始めた部員も多く、豊富な経験値を部の練習に生かした。こうした取り組みが部の士気を高め、全国出場の原動力となった。

 今井監督は、今回の全国で、「ここぞの場面で一本を取りきる力」が勝負を分けたことを痛感したという。「男子も、女子ももっと高みを目指すには、越えなければならない大きな壁がある。乗り越えられるよう稽古を積み重ねたい」。来年を見据えて、こう言い切った。

陸上は2人が入賞

 陸上競技では、男子3000㍍で八本松中の中西雄也さん(3年)が6位に、男子100㍍で近大東広島中の荒谷匠人さん(3年)が7位に、それぞれ入賞した。(取材班)

中西雄也さん(八本松中) 男子3000㍍ 6位

「弱気の虫」克服し快挙

粘り強い走りで6位に入賞した中西さん
粘り強い走りで6位に入賞した中西さん

 全国初出場の中西さんは、予選で自己ベストとなる8分37秒96をマーク。その勢いを決勝レースにぶつけた。予選を突破した18人で競った決勝では、粘り強い走りで混戦を抜け出し、8分38秒70で6位入賞を果たした。「決勝に残ることが目標だったので、うれしかった。いい思い出になった」と目を細めた。

 入賞の要因は、ラストの400~600㍍をきちんと上げる練習に取り組んできたことと、レースになると顔をのぞかせていた「弱気の虫」を克服したことだ。今回、一緒に全国大会に出場、日頃から切磋琢磨(せっさたくま)してきたライバル、大歳怜さん(向陽中)の存在も、中西さんの士気を高め、躍進する原動力になった。

 指導にあたる水田孝監督は「練習には真面目に向き合うのが、彼の良いところ」と目を細めながらも、「人としての成長を重ね、好不調の波を小さくすれば、もっと強くなる」と期待する。

 秋からは駅伝を見据えた練習に取り組み、11月の中国中学駅伝に挑む。昨年は1区で区間5位。「今年は区間賞を取りたい」と意気込む。

荒谷匠人さん(近大東広島中) 男子100㍍ 7位

謙虚な姿勢、花開く

ゴール前の追い込みで7位に入賞した荒谷さん
ゴール前の追い込みで7位に入賞した荒谷さん

 近大東広島中の荒谷さんは全国大会に初出場。予選を10・80秒の3位で通過、決勝は10・95秒で7位入賞を果たした。「最後まで全力で走り抜いた。特にゴール直前の追い込みが結果につながった」と話し、「決勝前の練習の方がコンディションは良かったが、本番で緊張した。課題を克服しリベンジしたい」と悔しそうな表情で決勝を振り返った。

 もともと足が速く、中学1年の時、当時の担任で陸上部監督の八幡昌幸教諭の誘いで、陸上を始めた。八幡監督から言われた、武田信玄の名言「一生懸命だと、知恵が出る。 中途半端だと、愚痴が出る。 いい加減だと、言い訳が出る」を教訓に、常に謙虚な姿勢で試合に臨むことを心掛けている。

 八幡監督は「研究熱心でトレーニングを自分でアレンジするなど努力を続けている。結果として大会を重ねる度にタイムが伸び続け、のびしろが計り知れない」と笑顔で話した。

 今後は10月の全国大会での上位入賞を目指す。「本気で走り抜くために鍛え続ける」と強いまなざしを見せた。

全国逃すも来年に財産

 全日本中学校体育連盟(中体連)に加盟するチームが多いのが軟式野球とサッカーだ。当然、全国への道のりは平たんではない。こうした中、今夏、全国への出場は逃したが、県大会を勝ち上がり、中国大会に出場した東広島の3チームを紹介する。

中央中サッカー部 攻めの姿勢貫き躍進

攻撃的なサッカーを貫き中国大会に出場した中央中の選手(提供写真)
攻撃的なサッカーを貫き中国大会に出場した中央中の選手(提供写真)

 中国大会出場は、昨夏の県選手権大会の初戦敗退が出発点になった。悔しさをばねに、昨秋の県新人大会を勝ち上がり、2位になったことがチームの分岐点になった。県決勝のピッチを体験したことで、選手に自信が芽生えたからだ。満を持して臨んだ今年は、東広島地区、呉・賀茂地区の両予選で優勝。昨夏のリベンジをかけて県選手権大会に臨んだ。

 県選手権では、ディフェンスからリズムをつくって主導権を握る攻撃的なサッカーを貫いた。初戦で新市中央中、2回戦で廿日市中を連破。準決勝の城北中(福山市)には、2―3で敗れたが、それでも県3位校となり、2度目の中国大会出場権を勝ち取った。ただ、中国大会は初戦で岡山朝日塾中に0―7で完敗、全国舞台を逃した。

 部員数は36人。上田康治監督は「全国は逃したが、3年生は試合や練習を通じて1・2年生に良い姿を見せてくれ、来年につながる財産を残してくれた」と目を細めている。

西条中・中央中軟式野球部 一段上のレベル知る

打撃力を磨き中国大会に出場した西条中の選手(提供写真)
打撃力を磨き中国大会に出場した西条中の選手(提供写真)
目標だった中国大会初出場を果たした中央中の選手(提供写真)
目標だった中国大会初出場を果たした中央中の選手(提供写真)

 中国大会には、県選手権1位校の西条中と2位校の中央中が出場。決勝戦進出校が得られる全国出場を目指したが、ともに後一歩で敗れ、「東広島の2校で全国舞台」の夢はかなわなかった。

 中国大会では、西条中が2回戦から登場。大田第二中(島根)にはタイブレークの末、勝利を収めたが、準決勝で大田第一中(島根)に惜敗した。中央中は、1回戦で井原中(岡山)に快勝したが、2回戦で斐川西中(島根)に敗れた。

 西条中は昨年の県選手権準決勝で翠町中(広島市)に力負けしたことが転機になり、打撃力を磨いてきた。学校のグラウンドは、校舎の改修工事の影響で手狭になったが、狭い場所でもできるティー打撃に力を注ぐなど、工夫を凝らして練習に取り組んだ。成果は今夏の県選手権で表れた。2試合で2桁安打を達成、中央中には8―6で打ち勝った。

 中央中は「点を取られなければ負けない」ことをモットーに1年間、練習に取り組み、大きな目標だった中国大会初出場を成し遂げた。5―1で勝った中国大会の初戦は、練習の成果が如実に表れた。バントや盗塁など小技や足技を絡めて得点を重ね、最少失点で抑えた。大一番で守り勝つ野球を体現した。

 西条中の民法知紘監督は「選手は毎日努力してくれ、感謝しかない」と選手をたたえながらも、「中国地区の上位に入るチームは、広島のチームとは投手力がワンランク上。中国大会に出たことで、チームの現在地を確認することができた。今後の練習に生かしたい」と力を込める。

 思いは中央中の的場大佑監督も同じ。「中国大会で敗れた悔しさは残るけれど、目標を達成でき幸せ」と振り返りながら、「(中国大会で)全国レベルの投手と対戦できたことは大きな財産。毎年のように中国大会に出場できるチームをつくっていきたい」と目を輝かせる。

全国・中国大会に出場した選手の皆さん

【学校】種目=名前※敬称略

全国大会出場者

◇陸上◇
【西条】女子1500㍍=藤井柑奈、三宅凛
【八本松】男子3000㍍=中西雄也 
【松賀】男子4×100㍍リレー=景山翔惺、権現遥希、六箱大輔、中颯廷、平木大雅、末光悠人▽女子走幅跳=木谷優月
【向陽】男子3000㍍=大歳怜
【近大東広島】男子100㍍=荒谷匠人▽男子棒高跳=三村紫恩

◇水泳◇
【高美が丘】男200㍍背泳ぎ=森永悠生

◇卓球◇
【高屋】男子団体=川島凛太朗、土井陽生、土谷柊太、園田陸斗、山地錦治郎、坪井太志、菅波有哉、平田尊大

◇柔道◇
【西条】女子団体=阿舎利陽菜乃、近藤椿樹、大田由奈、富永虹美▽男子55㌔級=宮田樹▽男子60㌔級=井上絆路▽男子66㌔級=鈴木弥太郎▽女子44㌔級=阿舎利陽菜乃▽女子57㌔級=大田由奈▽女子48㌔級=富永虹美▽女子40㌔級=濵岡楓

◇剣道◇
【八本松】女子団体=岡本一花、升本歩花、佐賀雫、有場優、児玉輝莉、大熊梨生、有馬愛▽男子個人=大熊一慧▽女子個人=有場優

◇弓道◇
【県立広島】男子団体=大山結真、村賀天祐、糸永樹生、外田凪▽女子個人=長谷川美怜

中国大会出場

◇陸上◇
【西条】女子1500㍍=藤井柑奈、三宅凛▽女子100㍍=村川芽依
【八本松】男子3000㍍・男子1500㍍=中西雄也
【高屋】男子1500㍍=阿部誠志郎、堀凌多▽女子800㍍=檜山果子
【松賀】男子4×100㍍リレー=景山翔惺、権現遥希、六箱大輔、中颯廷、平木大雅、末光悠人▽男子走幅跳=山田飛七太▽男子1500㍍=河野蒼人▽女子走幅跳=木谷優月
【黒瀬】男子走高跳=大小田奏音
【向陽】男子3000㍍=大歳怜▽男子走高跳=松村悠生▽女子走幅跳=秋山桃花▽女子100㍍ハードル=鴈田幸
【磯松】女子4×100㍍リレー=山本藍那、武廣優南、中澤涼樺、重満沙綾
【近大東広島】男子100㍍=荒谷匠人▽男子棒高跳=三村紫恩

◇水泳◇
【西条】女子100㍍バタフライ・女子200㍍個人メドレー=道面莉紗▽女子200㍍自由形・女子400㍍自由形=槇原綺香莉 
【黒瀬】男子200㍍平泳ぎ=神南大輝▽男子100㍍バタフライ=上道絢太
【向陽】女子200㍍自由形=宮内咲穂
【高美が丘】男子200㍍背泳ぎ=森永悠生

◇サッカー◇
【中央】小城力斗、古藤太陽、山田魁生、杉山亜美花、石田柊太、友田秀太、杉田悠月、石崎陽大、喜々津輝季、河原聖人、古井瑞人、坂田望咲、松岡功、大平真聖、吾郷巽、大本侑里、岡本逸希、西本直矢

◇軟式野球◇
【西条】池田知生、大前結翔、太田瑠輝亜、伯方悠真、松岡丈琉、北別府煌希、大田晃弘、長谷川絢人、川上朔、山本航晟、帰山勇吾、香川伊織、金井厚季、亀岡直広、門石陸功、高瀨慶大、彌勒仁志、宇田川隆喜
【中央】松平蒼大、胡翔也、横山智哉、北條陽路、後藤亘、中心道、杉岡慎平、中野颯太、黒川大和、山下湊永、森田裕斗、清水大暉、上野航督、甲田聡太、村上壱織、高橋駿斗、岡村優大、大近泰駕

◇バレーボール◇
【八本松】男子=伊藤聖哉、橋本和尚、宮田康介、寺崎太基、林翔太、荒古江一樹、河原幸汰、北村栞一、中川瑠稀、平村陸

◇ソフトテニス◇
【高屋】個人=佐久間悠貴、落陽哉
【向陽】男子団体=山内智成、山根葵、仲孝太、有場迅汰、坂口彩佑、大丸寛太、梶原悠真、肥岡稜希▽男子個人=山根葵、仲孝太▽女子個人=田渕愛衣里、岡田梨杏

◇卓球◇
【高屋】男子団体=川島凛太朗、土井陽生、土谷柊太、園田陸斗、山地錦治郎、 坪井太志、菅波有哉、平田尊大▽男子個人=川島凛太朗、山地錦治郎、平田尊大▽女子個人=上田楽々

◇柔道◇
【西条】男子団体=宮田樹、井上絆路、鈴木弥太郎、東谷拓真、三宮悠維、岸野瑛心、森野壱▽女子団体=阿舎利陽菜乃、近藤椿樹、大田由奈、奥田絢香、富永虹美▽男子55㌔級=宮田樹▽男子60㌔級=井上絆路▽男子66㌔級=鈴木弥太郎▽男子73㌔級=東谷拓真▽男子81㌔級=岸野瑛心▽男子50㌔級=宮田龍▽女子44㌔級=阿舎利陽菜乃▽女子52㌔級=近藤椿樹▽女子57㌔級=大田由奈▽女子63㌔級=奥田絢香▽女子48㌔級=富永虹美▽女子40㌔級=濵岡楓

◇剣道◇
【八本松】男子団体=下田清八、大熊一慧、松本真輝、光原蒼空、福原要汰、狩野陸斗、渡橋成麻▽女子団体=岡本一花、升本歩花、佐賀雫、有場優、児玉輝莉、大熊梨生、有場愛▽男子個人=下田清八、大熊一慧▽女子個人=有場優、大熊梨生

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