被爆から80年の今年。戦争や核のない世界を願って、朗読劇『蛍火Ⅱ 河本一郎伝』が7月31日と8月1日、広島市西区民文化センターで上演されます。小学生から80代まで、120人を超える市民が参加。東広島市からの参加者もいます。

この劇は、平和活動を続けた広島の河本一郎さんの人生をたどりながら、「今の私たちにできることは何か」を考える内容です。脚本を手がけたのは、長年、平和への思いを伝えてきた久保田修司さん。広島YMCAの黒瀬真一郎さん(2025年にご逝去)からの聞き取りをもとに作られました。

出演や制作に多くの市民が関わり、朗読、音楽、ダンス、衣装づくり、SNSでの発信など、各自ができる形で参加し、作り上げていきます。広島で生まれ育った人、被爆者やその子孫も多く含まれています。

舞台では、世界で活躍するダンサー・國本文平さんが踊り、衣装は81歳の被爆者でデザイナーの出本正彦さん(東広島市志和町)が担当。さらに、95歳の被爆者・切明千枝子さんが、劇中で自身の短歌を通じて平和の願いを届けます。
映画監督の山田洋次さんは「広島の市民活動としての朗読劇、と聞いただけで胸がわくわくします。反核の市民運動があの日から80年をへて、ますます大切になりつつある中で、ノーモア・ヒロシマの声を絶やすなという世界中の平和を願う人々の願いを込めるだろう蛍火Ⅱの公演が素晴らしい成果を上げることを、期待してやみません」とメッセージを寄せています。
来年の8月6日までには、舞台の様子をYouTubeで無料配信する予定です。2023年に上演された『蛍火Ⅰ』もすでに配信され、多くの人に見られています。
今、世界では、悲しいニュースが絶えません。そんな中で、広島から発信されるこの舞台は、平和の大切さをあらためて伝えてくれるはずです。
【公演日程】
●2025年7月31日(木)18:00~
●2025年8月1日(金)14:00~/18:00~
会場:広島市西区民文化センター
入場料:前売り 一般2000円/高校生以下800円(当日券あり)
※未就学児の入場はできません