
今年も梅雨の時期を迎えた。近年は毎年のように記録的豪雨がニュースになる。「備えあれば憂いなし」。東広島では、生活者目線で防災対策に取り組んでいる企業も多い。企業の取り組みの一例を紹介する。(編集部)
避難経験から生まれた防災スイーツ 長期保存できる「レトルト フィナンシェ」
フルーツタルトやシュークリームが人気の東広島市西条岡町の洋菓子店「ララパレット」は、災害時に備えて長期保存できる洋菓子の開発・製造・販売を行っている。きっかけは、経営者である桑原直さんの避難経験だった。
「西日本豪雨のとき近くの集会所に避難。怖さと不安の募る中、チョコレートの甘さに心がほっとした」と振り返る。この経験から、防災食に心を和らげるスイーツが必要と実感。「長期保存できる洋菓子」の開発を始めた。
桑原さんは東工電設(竹原市)の社長であり、エンジニアとしての経験が豊富。スイーツ事業部を立ち上げ、実店舗としてララパレットを開業した。
洋菓子は長期保存が難しいとされる中、レトルト食品加工に挑戦。エンジニアの技術を生かし、真空にしたり加熱したりする際の設定を細かく調整して、2024年、食感・食味を損なわない焼き菓子「レトルトフィナンシェ」の開発に成功した。
フィナンシェは、ララパレットで製造。添加物は不使用で、常温で5年間、保存できる。
現在は自治体や企業・団体へ販売している。「非常時こそ心を支える甘さを」。桑原さんは防災スイーツの普及に力を注ぐ。(橋本)













