
自動車工場の生産設備メンテナンス業を主力とするメンテックワールド(本社・広島県東広島市)。社長を務める小松節子氏が、仕事や地域活動を通して感じた想いや気づきをつづる「ハートフルメッセージ」。
児玉幸治さんの遺志を引き継ぐ
広島アセアン協会の会長で、通商産業事務次官や商工組合中央金庫理事長などを歴任された児玉幸治さんが今年4月下旬に90歳で亡くなられ、このほど東京都のアークヒルズクラブで行われた、偲ぶ会に参列しました。
児玉さんは、広島県出身。広島大学附属高校の卒業で、賀茂鶴の社長・会長を務められた石井泰行さん(故人)とは同級生の間柄です。2013年に広島アセアン協会を設立する際には、石井さんが児玉さんを紹介してくださることになり、私が副会長、石井さんが会長代行を務めることを条件に、会長職を引き受けてくださいました。
児玉さんの通産官僚時代の実績は素晴らしく、退官のときには、通産省の部下だった人たちが『上司にしたい上司』『尽くしに尽くしたい上司』と寄せ書きをしたためた、といわれています。バブルが崩壊した1990年代には、日本の事務方の責任者として自動車の対米交渉に当たられ、苦境に立たされていたマツダを助けられたことは有名なエピソードです。
偲ぶ会には、父親が通産官僚だった、岸田文雄前首相もお見えになっていました。また、児玉さんは、日本オーケストラ連盟の理事長を務められるほど、音楽にも造詣が深く、オーケストラ連盟に所属する6人の奏者が献奏をされました。
広島アセアン協会では、8月21日に協会の理事会を開き、児玉さんを偲びました。協会にとっては、児玉さんという後ろ盾を失った悲しみは残りますが、アセアンに強い思いを持たれていた児玉さんの遺志を引き継ぎ、アセアン10カ国との絆を一層深めていきたい、と思っています。
【小松 節子(こまつ せつこ)プロフィル】
2002年4月、メンテックワールド副社長就任。2003年4月からメンテックワールド社長。代表的公職に広島アセアン協会副会長(2013年4月~)、広島県経営者協会副会長(2024年4月~)、サンフレッチェ広島東広島後援会長(2021年1月~)など。
プレスネット編集部











