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【地域共生社会の取り組み⑧】東広島で広がる「お助け活動」

  • 2023/02/22

地域共生社会」という言葉をご存知ですか。誰もが住み慣れた地域で世代や分野を超えてつながり、暮らしや生きがいを ともに充実させながら安心して暮らせる社会 のことです。

東広島市では、この実現のためにさまざまな団体が、さまざまな取り組みをしています。東広島の団体の取り組みの一部をリポートしていきます。

目次

目次

 

「今の私たちにできることから」

 住み慣れた地域で、世代や分野を超えてつながり、誰もが安心して生きがいのある暮らしができる「地域共生社会」。そんな社会の実現に向けて、様々な活動を続ける東広島市民を、3回にわたって紹介。今回のテーマは生活上のちょっとした手伝いを住民同士で行う「お助け活動」。先駆的に取り組みを始めた八本松南地区と、その取り組みに共感して活動を始めた新たな団体をリポート。(東広島市提供)

ホットお助け隊
見守り担当の地図を見ながら話すご近所ホット隊のメンバー。
右から信国武登さん、景山晟さん、藤原和雄さん。左は連携する東広島市社協の中東亮さん

ご近所ホットお助け隊(八本松南地区 )

「ご近所ホットお助け隊」の発足

 少子高齢化が進む八本松南地区。高齢化率が10年で2倍以上となっていたことに危機感を抱き、平成29年に福祉対策委員会が立ち上がった。地区社会福祉協議会や民生委員、福祉関係者などが集まり、市や社会福祉協議会による勉強会で他市の事例や高齢者に関する課題を学んだ。そして、まずは見守り活動をはじめたところ、「地域にはちょっとした困りごとを抱える人がたくさんいる」ということが分かってきた。「いまの私たちにできることからやってみよう」と平成31年にスタートしたのが「ご近所ホットお助け隊」で、近くの住民同士で見守り中や、会話の中から困りごとを聞いて支援につなげる活動だ。「もとより福祉に関わる人材が集まって始まったことが、その後の活動を進めるためにもよかった」と八本松みなみ地区福祉会顧問の信国武登さんは話す。

夢ひろい歩こう会
あいさつ、声かけ、見守りの活動を団地内に周知するため開催した「夢ひろい歩こう会]

できることから少しずつ

 あいさつ・声かけ・見守り・夢(ごみ)拾いを柱として、「お互いさま」の気持ちで活動を始めた。お助け隊の支援は、当初庭の草取りや粗大ごみの搬出など、生活上のちょっとした手伝いが主だったが、活動をしながら世間話をしていると、通院支援や買い物の手伝いといったある程度責任を伴う支援のニーズがあることも分かってきた。隊員のみでは難しい場合、福祉の専門職と連携し解決に取り組む。社会福祉協議会との連携も欠かせない。

ゴールは地域のつながりづくり

 地域住民の支え合い活動は、困りごとの解決が目的ではなく、顔が分かり、気にかけあう関係をつくり、住み慣れたこの街で仲良く過ごすこと。

すだれ
側溝
支援が必要な人の家を訪問し、すだれを外したり側溝の掃除や屋根の修理をするお助け隊

お助け隊の今後の発展 そして他地域にも…

 お助け隊活動をしていると、それまでは出会ってもすれ違うだけだった人が「とてもありがたい。困ったときには助けてほしい」とわざわざ連絡をくれるなど、手ごたえも感じている。藤原和雄会長は、「避難行動要支援の見守り活動とお助け隊の活動との横の連携も目標のひとつ。困ったとき、団地内の誰にでも助けを求めやすい関係性を作っていきたい」と、次の活動を見つめている。

 このようなお助け隊の活動は周辺地区にも知られるようになり、講演依頼や情報交換の会議なども多数受け、新たに活動を始める地域も出てきている。

東広島市社会福祉協議会
コミュニティソーシャルワーカー
中東 亮さん


 市と社会福祉協議会では、ちょっとした困りごとを身近な地域住民で支え合う活動が市内各所で広がるよう、住民の皆さんと一緒に活動を作りあげたいと考えています。
「つながり、気づき、支え合う」地域を一緒に作りましょう!

[VOICE]八本松南地区の取り組みに共感し、活動を始めた団体の声。

正力ほっと・ほっとお助け広場(八本松町正力)

「楽しく」「お互いさま」の心に共感

正力ほっと・ほっとお助け広場

 「粗大ゴミを出すのが難しくなった」などの困り事は、以前から耳にしていました。年をとっても住みやすい地域にするにはどうしたらいいか、女性4人でボランティアグループを立ち上げる準備をしていましたが、思うように進まず。そんな時、八本松南地区の活動を知り、「楽しく」「お互いさま」の心で周りを巻き込んでいったという経緯を聞き、道が開けたような気持ちでした。今は協力員が約40人で、活動件数は半年で67件。ユニホームのエプロンや看板を手作りして、地域のさまざまな人とのつながりも頼りに活動しています。

平岩つながり隊(平岩小学校区)

「できることから始めればいい」の気持ちで第一歩

平岩つながり隊

 4年前から地域の支え合い活動の必要性を感じていましたが、できずにいました。八本松南地区の活動を知り、勉強会や講演会を通じて「できることから始めればいい」という気持ちが地域内で高まり、ようやく活動がスタートしました。活動者は約30名で、40~50歳代の若い世代も多く、住民自治協議会とも連携。さらに近隣施設の協力により、誰もが気軽に集える場所として「つながり広場」を月に一度開き、子どもから高齢者まで気軽に立ち寄って、遊んだり宿題をしたりしています。

 今まで取材してきた各団体の地域共生社会の取り組みが見られます。

東広島市役所 健康福祉部 地域共生推進課 東広島市西条栄町8-29

TEL/082-493-5621

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