
高校を選ぶ選択肢の一つとして、柔軟な学び方ができる通信制高校が注目を集めています。2024年度の文部科学省の調査によると、通信制高校の生徒数は約29万人で高校生の11人に1人が学んでいます。通信制高校は、生徒の多様なニーズに対応した学びの場を提供し、自分のペースで学習ができるのが大きな特徴です。通信制高校の専門出版社の学びリンク(東京都)の山口教雄代表に、通信制高校について話を聞きました。(取材班)
現在、県内には、県の認可を受けた通信制高校が10校あります。教育内容は、大きく分けると、小学校の基礎から学び直して高校につなげ、さらに大学や専門学校に橋渡しする「学び直し・進学」、生徒のやりたいことに応えた専門コースを開設している「やりたいことに対応」、発達障害を持つ生徒の特性や課題に対応できるように配慮している「発達の課題への対応」の3つです。
このほか、県内には通信制高校の本校以外で学習できるサポート校・協力校が50校を超えます。サポート校・協力校は通信制高校を卒業できるよう支援する施設で、多くは通信制高校が設置しているか、通信制高校と提携、通信制高校を卒業できるよう支援していきます。

通信制高校の特徴は、学校生活を自分のペースで送ることができることと、自由な時間ができるという2点です。毎日学校に行って、みんなと同じ時間帯に時間割通りに学ぶ全日制との大きな違いです。通信制高校は、年間60日程度のレポートと年間20日程度(月2回程度)のスクーリングが卒業の条件となります。自分の都合で、登校する日時を決めることができ、国語や数学といった通常の授業に加えて、さまざまな専門科目を同時に学ぶことができます。登校は週1日、3日、毎日など多様な中から選ぶことができます。1週間程度連続して登校するなどの集中スクーリングもあり、自分に合った通い方ができます。

学校外の生活との両立も可能で、自由な時間を活用してアルバイトをしたり、自分に興味のある活動に充てたりすることができるのも通信制の特徴です。
一昔前は、高校生活が継続できなくなれば、学校を辞めるという選択が多くを占めていましたが、通信制の学校数が増えてきた現在では、「辞める」から「変わる」という選択肢が増え、転・編入学がしやすくなりました。
学びリンク・山口代表の話
学校は毎日通わなくてはいけないという固定観念がありますが、固定観念を外して通信制高校を見ると、通い方や学び方などいろいろなものが見えてきます。学校選びのポイントは、他人に合わせるのではなく自分の気持ちに素直になり、わがまま(意のまま)に自分に合う学校を選びましょう。
通信制高校在校生・卒業生の声(学校の五十音順)
自分の好きな夢を大切にしてくれる学校です

クラークには自分の好きな夢を大切にできる環境があり、私は今自分のやりたいことに向かってたくさんの挑戦をしています!もし悩んでいるなら、きっと一歩踏み出した先に新しい未来が待っていると思います!
夢を応援してくれる学校です

小さい頃から動物が大好きで、動物看護師になることが私の夢です。夢をかなえるため、アニマル専攻で資格取得やドッグトレーニングに力を入れています。学校は雰囲気が心地良く、広島市内の街なかにあり、通いやすいのも魅力です。
自分の部屋のようにくつろげる

東広島學院は自分の部屋のようにくつろげる場所。ここにくるまで人間関係がうまくいかないことが多かったけれど、話す友だちも増えて、安定した生活が送れました。
先生が優しく寄り添ってくれる学校です

先生との距離が近く、どの先生も優しく寄り添ってくれるので、とても安心できます。小人数だから落ち着いた環境で学習できるのも魅力。達成感と自信を与えてくれる通信制高校です。