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輝きいろいろ あすなろベイキングカンパニー社長 大野孝之さん アンデルセンで学んだパン作りの心

  • 2023/07/09

 東広島市西条土与丸で、本格石窯を備えたパン屋「あすなろベイキングカンパニー」を営む大野孝之さん(58)。今秋には2号店を、同市西条町寺家のJR寺家駅北側に開店予定だ。大野社長に、パン作りへの思いなどについて聞いた。(日川)

あすなろベイキングカンパニー社長 大野孝之さん
プロフィール
おおの・たかゆき 1965年生まれ。広島県呉市出身。アンデルセングループでの勤務を経て独立。2011年西条土与丸に「あすなろベーキングカンパニー」を開店。今秋には西条町寺家に2号店をオープン予定。

 前職はベーカリービジネスを展開するアンデルセングループ。「アンデルセンで学んださまざまな経験を生かして、新しいことに挑戦したい」という思いが強くなり、45歳でパン職人として独立。

 アンデルセンに勤めていたとき、石窯の開発などに携わったことから、石窯には思いを持っていた。親戚から登り窯に使うれんがを譲り受け、まき窯を作った。「まき火を使う石窯としては県内最大だと思う」と自負する。

アンデルセン時代に培ったDNAを受け継ぎ、あすなろ風にアレンジしたデニッシュペストリー
アンデルセン時代に培ったDNAを受け継ぎ、あすなろ風にアレンジしたデニッシュペストリー

 地域貢献や社会貢献にも積極的。創業前に、東日本大震災で被災した人たちの支援活動に参加したことがきっかけになった。「被災者でありながら、私たちを『大変ですね』と励ましてくれたことに、人生観が変わった」と振り返る。季節限定のメロンパンの売り上げの一部を東日本大震災の被災地に寄付している。パン作りの楽しさを伝えるパン教室などのイベントを定期的に開いているのも、社会貢献活動の一環。

 今秋には2号店を開くほか、1号店そばに借りている畑で小麦を栽培し、自家栽培の小麦でパンを作ることも計画している。好きな言葉は「挑戦」。「店名のあすなろには、『明日は檜(ひのき)になろう』の意が込められている。何事も行動しないと始まらない。全従業員(24人)一丸となって前向きに未来を夢見て突き進んでいきたい」と目を輝かせる。

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