東京2020パラリンピックの聖火ランナーに選ばれた江南聖さん(37)。8月21日には県代表として、東京都内を走る。
車いす生活のはじまり、そしてソフトボールとの出会い
害虫駆除事業者に勤務していたとき、仕事中に高い場所から転落して脊髄を損傷し、30歳で車いすでの生活となった。仕事を辞めてなにもやる気がなくなり、1年半ほど再就職せずに過ごした。その頃、スポーツ交流センターおりづるの車いすテニスサークルで、「広島Salire(サリーレ)」の創設者に出会い、車いすソフトボールの世界に誘われた。
その後、結婚などを機に再就職も決め、同じころ日本代表選手に選ばれた。小学生のときにソフトボールを、その後大学3年まで野球をしていた経験が活きた。日本代表として世界大会に出場する江南さんを、そして「広島Salire」を、勤務先も応援してくれた。
チームも競技も盛り上げたい
車いすソフトボールのチームは全国にもまだまだ少ない。身近にチームがあって定期的に練習ができる環境はとても貴重だ。
チームや競技をさらに盛り上げるため、有名企業やメディア、著名人にも応援をお願いした。「相手にも様々な事情があるのは分かっていても、断られるとどうしても精神を削られる」という江南さんは、断られる覚悟で声をかけ続ける。日本代表選手である自分がどうしても目立ってしまうが、「日本代表がいる広島Salire」ではなく「広島Salireの中に日本代表がいる」と思ってもらえるように、メンバー全員でチームを盛り上げていきたいと考えている。
「チームという環境で自分のスキルを上げたいというわがままな部分と、チーム自体を盛り上げたい気持ち。両方あって自分」とはにかむ。
さらなるスキルアップを目指して
もしも車いすソフトボールがパラリンピックの正式種目になったとしても、最短で2028年大会。そのときに代表に選ばれるためには、若い世代と勝負できなければならない。車いすでのプレーには独特の感覚やコツが必要だ。ソフトボールや野球の経験は長いが、車いすでの生活歴が長い人には勝てないと感じるとき「もっと早く車いすに乗る生活をしていたら」という不思議な感覚になるという。
広島県の強化選手に選ばれたことで支援が受けられるようになり、現在はパーソナルトレーナーとトレーニングも積んでいる。これまで自己流でこいでいた車いすだが、車いすスポーツのデータや論理に基づく体の使い方を身に着けて、さらなるスキルアップを目指す。
聖火リレーとして
聖火ランナーに選ばれたと連絡が来たときの感想は「すげーいい話!」。車いすソフトボールの認知をさらに広めるまたとない機会だ。車いすソフトボールという競技自体が評価してもらえたと感じて嬉しかったという。
「パラスポーツの発展のために、自分ができることで期待に応えたい」と意気込んだ。
プロフィール
えなみ・たかし 県内唯一の車いすソフトボールチーム「広島Salire」に所属。30歳のときに事故で車いすの生活となる。日本代表選手として初めて出場した車いすソフトボールワールドシリーズで、日本の初優勝に貢献した。その後も計3回代表選手に選出された。
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