日本酒の化粧樽がかたどられた煎餅。西条に住んでいると、一度は食べたことがある人も多いのではないだろうか。ショーケースに並ぶのは「
1916年創業の同店。創業当初から変わらない原料と作り方で、朝早くから1日700枚ほどの煎餅を焼いている。創業者のこだわりを守り、原料は小麦粉、砂糖、卵、はちみつ、水あめのみ。シンプルな煎餅は、しっかり硬めの歯ごたえとやさしい甘さで「そうそう、これこれ」と、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる。
通常、店頭で販売するのは西条酒の樽を模したもの。取材に訪れた日は、6種類の樽の刻印が押されていた。企業や学校などから特別の依頼があれば、特注の刻印で煎餅を作ることもある。祝い事や記念行事などに利用され、これまでに30種類以上の刻印を作った。西条の一大イベントである酒まつりでは、東広島市のマスコットキャラクターの「のん太」をあしらった絵柄の樽煎餅を販売する。
店は不定休。「酒蔵通りを訪れる方がいらっしゃるから、日曜日も開けていますよ」とほほえむ平田さん。サービス精神と真心で、顧客をもてなす。そんな平田さんにひかれて「おばあちゃんおる?」と訪ねてくる常連客もいるという。帰省のお土産を買いに来る客も多い。
JR西条駅前は土地区画整理事業で、現在のような街並みに生まれ変わったが、昭和の時代は、西条駅から北に向かってまっすぐ商店街が形成され、さまざまなお店が並んでいた。平田さんは「西条は、昔と変わらず、人情があっていい所。お客さんのためにも長く続けていきたい」と思いをはせる。
創業当時のこだわりを守って100余年。
酒蔵通り土産の定番のひとつ「樽煎餅」。
大正5年創業の平田屋樽煎餅本舗では、店主の平田晶子さんが先代の味を守り抜き、今日も朝から煎餅を焼いています。
樽煎餅はこうして作られる!
原料は小麦粉、砂糖、卵、はちみつ、水あめだけ。
材料をすべて混ぜた生地を、鉄板に落とすところから焼きが始まります。
ひとつの板に煎餅9枚分。
その板が5枚ならんだ円盤を回し、裏と表を返しながら両面を焼いていきます。
ある程度焼けたら刻印です。
この日の印は、賀茂泉、白牡丹、賀茂鶴、福美人、亀齢、西條鶴の6種類。
湿度が高い日は焼けるのに時間がかかるのだとか。
焼きあがったら取り出し、はみ出したバリの部分をはさみで削りとります。
削られたバリでさえも美味しそうですが、丁寧な作業できれいな化粧樽の形に仕上がります。
袋に詰めて完成です。
1袋3枚というのも、食べやすくちょうどいい量。
だれかとシェアするにも個包装はうれしいですね。
懐かしくてほっとする味「樽煎餅」。
里帰りのときや来客への手土産、酒蔵通り散策のお土産などにいかがでしょうか。
住所
営業時間
無休