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輝きいろいろ U-23ベースボールワールドカップに出場 伯和ビクトリーズ投手 谷 優希さん

  • 2023/01/17

 「自分に何が足りないのか。大いに刺激を受けた大会になった」。昨年10月に、台湾で行われた第4回WBSC U-23ベースボールワールドカップ大会に、日本代表メンバーとして参加した伯和ビクトリーズ投手の谷優希さん。世界の舞台を経験しての、素直な思いを吐露する。(日川)

伯和ビクトリーズ投手 谷 優希さん
プロフィール
たに ゆうき 1999年、京都府出身。西舞鶴高、福井工大卒。2022年春、伯和ビクトリーズ入り。球種は最速150㌔台のストレートと、フォークボール、カットボール。186㌢、92㌔。右投右打。

 大会には、日本の他、キューバや韓国、ベネズエラなど12カ国が参加。谷さんは、予選ラウンドとなるオープニングラウンドで、ドイツ、チャイニーズ・タイペイ、南アフリカ戦の3試合に登板した。3試合とも1イニング限定の中継ぎ登板となり、3回を被安打2、失点0の投球内容だった。

 国際大会の経験は今回が初めて。チームは、決勝ラウンドのスーパーラウンドに進出し、決勝で韓国を破って優勝した。自身はスーパーラウンドに登板できなかった悔しさは残るが、国を代表する選手の技術や意識の高さに触れたことを前向きに捉える。「海外の選手のパワーとフィジカルの強さには驚いたし、日本の投手の変化球の切れは、僕の数段上だった。僕の意識を変えるには、十分すぎる大会だった」と振り返る。

 野球を始めたのは、小学2年。小学校からポジションは投手。高校から硬式に転向した。高校では甲子園出場はかなわなかったが、大学では4年のとき、全国大学選手権に出場し、初の全国舞台を踏んだ。チームは準優勝を飾ったが、「僕自身は悔しさだけが残る大会になった」と言う。抑えとして登板した決勝戦で、本塁打を浴び敗戦投手になったからだ。

 「野球で負けた悔しさは野球で晴らす」―。その思いが社会人で野球を続ける原動力になった。大学卒業後、東広島市を拠点に活動する伯和ビクトリーズ入り。大学野球よりもワンランク上の社会人選手のスピードとパワーに戸惑いながらも、「強くなりたい」一心で練習に取り組んできた。

 社会人1年目の22年シーズンは、150㌔超えの直球が評価され、ワールドカップの日本代表には選出されたが、チームでは、「故障の影響もあって、仕事らしい仕事ができなかった」と唇をかむ。登板機会は減り、投球回も少なかった。

 23年シーズンは、先発にも挑戦、長い投球回を投げることが目標だ。「連投もできる体を作り、先発でも中継ぎでも、どんな場面でも投げられる投手になりたい」。その先に見据えるのが、社会人野球の2大大会(都市対抗・日本選手権)への出場だ。

もっと知りたい 谷投手と一問一答

―目標とするプロ野球選手は。

オリックスのエース・山本由伸投手。球種は、僕と同じように直球やカットボール、フォークボールが主体で、投球の組み立て方や体(下半身・腕)の体の使い方を参考にしている。僕も、プロになることを大きな目標にしており、山本投手のように、安定感のある選手になりたい。

―投手としてのだいご味は。

三振を奪うこと。これからは、ストレートに加えて、変化球で三振の取れる投手になりたい。ワールドカップに出場して、変化球で三振が取れる投手を目の当たりにして、刺激を受けた。変化球で三振を奪えるようになれば、投球の幅が広がる。

―野球の難しさは。

練習を積み重ねても、次々と自分に足りないところが見えてくることかな。本当に奥が深い。昨年は、国際大会に出場して、例年以上に課題が見つかった。やることは多い(笑)。

―東広島市の印象は。

まだ、東広島市で生活をして1年に満たないが、気にいっている。街と田舎の匂いが混じっていて生活しやすい。野球にも打ち込める環境だと思っている。

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