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交通死亡事故が多発 東広島署管内 今年に入り8件

  • 2023/10/23
交通死亡事故が多発 東広島署管内
信号機のない横断歩道を歩いていた女性が乗用車にはねられた黒瀬春日野の事故現場。ドライバーは横断歩道があることを表す道路標識や、◇の道路標示に目配りすることも大切だ

2件が 信号機ない 横断歩道・交差点

 東広島市内で交通死亡事故が多発している。今年に入り9月末現在で8件発生、8人が尊い命を落とした。既に昨年の交通死亡事故件数3件を大幅に上回る。東広島市全域が管轄の東広島署では、視界が悪くなる薄暮の時間帯が増える冬時期を前に、注意を呼び掛けている。(日川剛伸)

交通死亡事故発生状況(2023年1月~9月末 東広島署管内)
日時 場所
1月 2日 18:20 西条町西条東(国道486号)
2月24日 18:30 八本松飯田6丁目(県道造賀八本松線)
5月14日 10:30 八本松町原(県道馬木八本松線)
6月14日 13:55 黒瀬町乃美尾(主要地方道矢野安浦線)
7月27日 16:00 八本松町篠(主要地方道東広島向原線)
8月23日 19:05 黒瀬春日野2丁目(主要地方道矢野安浦線)
8月26日 14:20 西条朝日町(中央巡回線)
9月14日 16:30 西条町御薗宇(土与丸御薗宇線)

(青字)道路横断中の歩行者と車が絡んだ事故
(黒太字) 道路横断中の自転車と車が絡んだ事故
信号機のない横断歩道または交差点

 上表は、今年9月末現在での市内の交通死亡事故発生状況だ。8件のうち、3件は車が歩行者をはねる事故、1件は車が自転車をはねる事故だった。4件とも歩行者・自転車が道路を横断していて事故に遭い、うち2件は信号機のない横断歩道・交差点での事故だった。

 東広島署管内の年間交通死亡事故数は2013年の10件が最多で、今年は、それに迫る勢い。石川忠克交通課長は「事故を防ぐには、一人一人が交通ルールやマナーを守ることが大切」と力を込める。

 8月に発生した、黒瀬春日野の県道で横断歩道を歩いていた女性が乗用車にはねられた事故は、ドライバーの側からすると、信号機のない横断歩道は歩行者優先という道路交通法に定められた交通ルールに違反したことが大きな要因。道交法では、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいる場合、車は一時停止をしなければいけない、と定める。横断歩道があることを表す道路標識や道路標示に目配りすることも重要だ。また、事故が起きやすい薄暮や夜間では、ドライバーはアップライトの運転を、歩行者や自転車は反射材やLEDライトの装着を心掛けることも必要だ。

 石川課長は「一人一人が安全意識を高く持つことで、事故は防止できる。特にドライバーには、どんな場所でも《かもしれない》運転を心掛け、事故防止に努めてほしい」と話している。

TOPICS 信号機のない横断歩道

信号機のない横断歩道

広島県内 2台に1台 停止せず

広島県内 2台に1台 停止せず

JAF調べ「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2022年)」より抜粋 全国平均39.8% 広島県50.0%

 日本自動車連盟(JAF)が、信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしているときに、車が一時停止する割合を調べた2022年調査で広島県は50%だった。47都道府県中、17位だったが、2台に1台は一時停止をしていなかった。

東広島市 信号機に代わる機器検討

市議会一般質問で

 9月にあった東広島市議会第3回定例会では、信号機のない横断歩道に信号機の代替機能を果たす機器の設置を求める一般質問があった。

 中川修議員(市民クラブ)の質問に、川口一成副市長が答えた。川口副市長は、横断歩道では信号機を設置することが事故防止には有効だが、全ての要望箇所に設置は難しいのが現状、とした上で、「ドライバーに歩行者の存在を知らせる注意喚起機器は、種類が多い。機器のコストや設置場所など、他の自治体の事例を参考にしながら効果を検証し、今年度中には設置の有無について、一定の方向性を出したい」と答えた。

事故防止のポイント 歩行者は「手上げ横断」を

事故防止のポイント 歩行者は「手上げ横断」を

 道路を横断する歩行者には、十分な安全確認と「手上げ横断」が求められる。ドライバーにとっては、歩行者がきちんと手を上げることで道路を渡る意思を読み取ることができ、一時停止がスムーズにしやすいからだ、と東広島署。

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